大分建設新聞

四方山

亀裂

2024年04月26日
 人は焦ったときや緊急時ほど本性が垣間見えると言うが、その「まさに」な例が先日の夜中に発生した地震だった。旦那は既に寝室におり、私はリビングでテレビを観ていた。夜のニュース番組も一通り見終わり「さて寝ようか」というタイミングで、突然携帯の緊急地震速報がけたたましく鳴りだした。パッと目に入ったスマホの画面に表示された文字は「震度5弱、身を守れ」。旦那は私を心配し、すぐに寝室からリビングへ飛び出してきた。が、そこで見たものは「必死にテレビを押さえる嫁」だった▼地震大国日本。特に最近の発生頻度はもはや異常だ。震度1や2であれば、さほど気にもしなくなった。災害は何でも、忘れた頃にやってくる。豪雨災害も南海トラフ地震も、人々が浮かれ騒いでいるまさにその時にやってくるかもしれないのだ。備えあれば憂いなし。わが家でもできる対策に、それなりに取り組んでいる▼家具の固定、ローリングストックによる食料と水の備蓄、家族間での緊急時の連絡体制の確認など基本的なことに加え、寝室に靴を準備する(就寝中の地震でガラスなどが割れた際、安全に避難できるように)、風呂の水は抜かずにためる、車に毛布を積んでおく―などを実践している▼おすすめは、普段は使わない旅行のスーツケースに防災グッズを詰め、玄関近くの収納スペースに置いておくことだ。わが家では、各自の下着類や予備の眼鏡、薬などの一般的な防災グッズでは替えのきかない物については、この方法で準備している▼しかし、いくら備えていると言っても、緊急時に冷静な行動ができるかは別だ。その証拠に、私は先日の地震が収まった後「テレビより守るものがあるだろう」と苦言を呈された。地震の影響で、断層ならぬ夫婦に亀裂が入った…かもしれない。(万)
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