大分建設新聞

インタビュー

藤内 修一さん(臼杵土木事務所長)

2024年05月02日
信州大学を卒業して1989年入庁。土木事務所は大分を振り出しに、臼杵、中津、佐伯、日田を経験している。宇佐土木事務所長、公園・生活排水課長を経て今年4月から現職。
 藤内修一所長は、臼杵市に勤務するのも住むのも2回目、「城下町独特の落ち着きある街並み、平安から鎌倉の文化を感じる国宝臼杵石仏、長い歴史と緑豊かな山々、食文化を支える豊かな海、そのような中で、道路や港湾、街づくりが行われてきた。歴史の重さを感じるとともに、文化とは何かと考えさせられる」。また「津久見市は、天然の良港リアス海岸を利用した日本一の石灰石の町ならではの独特な景観を有している」と両市の魅力に触れた。
 管内の事業では、九州の東の玄関口としての東九州自動車道4車線化の進展、中九州横断道路の整備を見据えたネットワーク整備や港湾の整備が最重要課題として、国道217号平岩松崎BP、臼杵港、津久見港の港湾整備事業などに「スピード感を持って取り組む」と決意を明らかにする。さらに、県土強靱化も重要と位置付け、「河川改修や土砂対策はまだ終わっていないので、新技術・新工法の活用も検討し、知恵を出しながら進めていきたい」と意欲的に語る。
 一方、豊富な経験から感慨深い仕事をいくつか挙げる中で、企画検査室(現建設政策課)では「仕事をやるには組織から」と12土木事務所に企画調査課を新設し、土木建築部中長期計画地方版を策定した事や、大分駅周辺総合整備事務所では、交通量が約5億4000台の国道210号大道陸橋を全面通行止めにして混乱なく撤去するために、庄の原佐野線などの迂回路整備に加え、近隣事業所で約1500人に時差出勤の登録をしてもらうなどソフト施策により、全面通行止めで撤去工事する計画を策定。「工期短縮、工事費縮減は関係した多くの方々の協力にほかならない」と感謝の意を思い出深く表した。
 建設業は本当に大切。国土の保全、地方創生、安全・安心の地域づくりを進めるには地元に住んでいる地元の業者でなくてはならない。持続可能な地域社会に欠くことができない社会資本整備を担い、災害発生時には最前線で地域の方々やライフラインを守る重要な産業であり、誇りを持って仕事のできるやりがいのある業種。「特に災害時の初動対応や復旧工事の取り組みには感謝しかない。土木事務所としても、適正工期の確保や債務、早期繰越承認など予算制度の柔軟な活用を積極的に進めるなど業界の下支えをしたい」。後継者不足や高齢化には「BUILD OITAなどの広報活動で業界と一緒になって魅力向上に向けて取り組みたい」と心強い言葉を添えた。
 東日本大震災の対応で危機管理の大切さを再認識した。県民に一番近い存在の所員には「地域の現状・課題を把握し、一人一人が何事にも対応できる危機管理能力、問題解決能力を身に付け、次世代を担う若者が『住んで良かった』『来て良かった』『住んでみたい』と地域の魅力を感じられる県土づくりを目指して欲しい」と求めて話を終えた。
 スポーツが大好きで、大学から始めたスキーは一生楽しみたい。オフは自転車活用推進計画策定時に始めたロードバイクで管内を見回りたいと話す反面、腰痛持ちで、お風呂上がりのストレッチや筋膜リリースは欠かせない。「腰回りやお尻を中心にいろんな所をストレッチすると一日の疲れも吹っ飛ぶ。仕上げのビールも最高!!」と高らかに笑う。57歳。
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