大分建設新聞

四方山

生い茂る草木

2024年05月09日
 築数十年と経つ古びたわが家だが、祖父の代から植えてきた庭木や雑草が生い茂り、春から夏を迎えるとうっそうとした林のようになる。広いという訳ではない。手入れが行き届いていないのだ。周りは比較的新しい住宅ばかり。もはややぶ蚊の巣となっており、これでよく苦情が来ないものだと頭が痛い▼これまでは帰省するたびに、数少ない家庭内労働者として庭木の伐採や除草をやった。枝は剪定ばさみでは手が付けられないレベルなので、小型のチェーンソーや鎌を使って、しばらく手入れをしなくてもよいようにばさばさと刈りまくっていた。母は嘆いた。「こんなに切ってしもうたんか。情けねえ」▼盆休みの剪定や除草は灼熱の世界だった。やぶ蚊に刺されないように厚手の長袖を着て、首まわりはタオルでぐるぐる巻きにし、防虫ネット付きの帽子をかぶる。肌が出る部分には防虫スプレーをかける。これでもかと刈りまくっていると、汗はだらだら、意識はもうろう。暑い時期にやる作業ではないとつくづく思う▼ただ、そうも言っていられない。近年は夏日や猛暑日が増えており、春先にはもう枝や雑草が伸びる。しかも、竹やつるなど地下茎で繁殖する草木が多くなった。草刈りなどはシルバー人材センターなどに依頼すればよいのだろうが、台所事情もあり、簡単には頼めない▼今年は特に植物の成長が著しい。自らやるしかないと意を決して、遅咲きながらゴールデンウイークにまず草刈りから始めた。手を付けてから30分ほどで植えてあったバラのとげが指に刺さって流血、作業を止めた。動揺しているその最中にもやぶ蚊が襲ってきて、ズボンの上から刺してくる▼痛さとかゆみの中、家族は寝ている。ふと「なぜ私だけ」という思いがよぎるが、草木は待ってくれない。(康)
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