大分建設新聞

インタビュー

曽根田 英雄さん(南部振興局長)

2024年05月10日
1992年4月入庁。2017年4月から19年1月までの国民文化祭・障害者芸術文化祭局課長補佐(総括)、その後北部振興局地域創生部長、21年人事課給与・厚生監などを経て、今年4月から現職。
 「旧直川村横川で生まれ育ち、地元の佐伯鶴城高校には汽車で通った。12年前に南部保健所に勤務したが、その当時と若かりし頃の佐伯と比べれば、既に随分様変わりしたと感じていた」と切り出し、「今さらながら、人口が減っていて、高齢化が進んでいるのを実感する。数字の上だが、市全体の高齢化率が42%。佐伯を除く7町村の高齢化率は50・3%。旧町村部では合併後2割も人口が減っている」と佐伯の行く末を憂う。
 続けて「人口が減り、祭りなどの開催を含めた、地域コミュニティーの維持が難しくなっているので、現状と課題をしっかり把握して、将来どうすれば良いかを考え実行していきたい」と決意を述べる。
 佐伯消防署の壁面に描かれた壁画は、国民文化祭の広報担当として関わった。前を通るたび、その頃を思い出す。
 「人事課で勤務した頃、東日本大震災と熊本地震の2回、派遣する職員の世話に携わった。先日も佐伯で地震が起きた。30年以内に70~80%の確率で発生するとされる南海トラフ地震に対応するためにも、災害に対する対応をきちんと決めておく必要がある」と災害に対する備えの必要性を説く。
 「企業が農・林・水の各産業に入り込むと、これまで以上に働き口が増えると考える」と語り、農業では米水津や蒲江で、レモン栽培が盛んになっており、国内産のレモンの需要は高いという。水産業では、全国でも1、2位を争うヒラメやブリなど養殖業への支援。県漁協が蒲江に整備しているブリ加工場は、国内外のマーケットニーズに対応した製品づくりと、生産拡大を目指すもの。県としても支援する。林業では、佐伯広域森林組合が進める50年伐期サイクルの佐伯型循環林業の支援を行う。また「今年はツーバイフォー部材を製材する工場の計画がある。国・県・市で後押しをしてきたい」などと抱負を語った。
 職員には、社会や経済などが大きく変化する時期だから、何事にも積極的にチャレンジしてほしい。「話しやすい」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」を意識した呼び掛けを続けている。
 建設業に対しては「人を集めるのが大変になっていると聞く。資材の高騰で納期の遅れがあるのではと心配している。経営は大変だと思うが、県民の安全・安心を守るために必要となる、治山や林道整備などの仕事に力を貸してほしい」と訴えた。
 趣味は天体写真の撮影。「肉眼で見えない暗い星を、三脚にカメラを据えて狙うので、パソコンで見るまで写っているかいないのか分からない」と話し、「2022年の皆既月食と天王星食もカメラに収めた」とうれしそうにスマホを記者に見せてくれた。大分市下郡に家族を残し、初めての単身赴任暮らし。55歳。
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