大分建設新聞

インタビュー

多田 耕治さん(別府土木事務所長)

2025年05月21日
 1989年入庁。初任の都市計画課を振り出しに、主に港湾などで経験を積む。大分港振興室長、豊後高田土木事務所長、工事検査室長、港湾課長、佐伯土木事務所長などを経て、今年4月から現職。
 「インタビューは3回目」と、少しはにかみながら迎えてくれた多田耕治所長。2021年度に豊後高田土木事務所長、24年度に佐伯土木事務所長で取材を受け、今回で3度目。「別府土木事務所の勤務も3回目。5年ぶりです」と笑顔で目を細める。別府土木事務所の全職員71人を束ねる多田所長に、就任に当たっての思いを聞いた。
 久しぶりの管内について印象を尋ねると、「2市1町に16万4000人が住む、人口の多いエリアを任された責任を感じている。外国人留学生や観光客も多く活気があるが、住宅も増えてきており人口が減らない場所だ」と話す。所内については、「フロアが分かれているため、連携には他事務所以上に気を付けなければならない。秋ごろに完成予定の新棟では1フロアになるので、楽しみにしている」と言う。「20~30代の子育て世代職員が多いため、しっかりフォローしていく『風通しの良い職場』を目指している」と続けた。
 注目する管内事業は、別府港の再編整備を挙げる。石垣地区のターミナル統合、岸壁の前出し、駐車場整備など、利用しやすく活気が出る場所へと整えるこの事業は、県の交通政策局との連携事業になる。「県の港湾課長だった経験を生かし、PFI導入なども視野に入れ検討を重ねたい」と熱く語る。
 続けて挙げたのが、国道500号の無電柱化事業、(都)南立石亀川線の街路整備・無電柱化事業だ。「児童生徒のスクールゾーンにもなっているため、歩道の拡幅など安全確保に向けて、一刻も早く完成させる必要がある」と力を込める。 また、防災減災への取り組みでは、砂防・急傾斜地域の対策にも触れ、「管内は、いままで災害が少ないイメージがあったが、昨年の台風10号で印象が変わった。早期復旧を進めなければならない」と、事業を急ぐ姿勢を示した。
 建設業界へは、「土木の仕事は無くなることはなく、むしろ果てしなく続く。尽きることの無い役割りに、発注側と受注側で協力し、市民へより良いインフラを提供していきたい」とメッセージ。若手入職者の減少には危機感を感じており、「魅力とやりがい、達成感を感じてもらうPRを、もっと積極的に行う必要がある」とも話した。
 心掛けるのは「職員を元気にする」こと。考えや悩みを水平な目線で聞くため、年に数回、職員と個人面談を実施する。「業務以外の悩みも聞き取り、心の持ちようをアドバイスさせてもらう」と言う。心が元気でなければ、仕事のやりがいも感じられない―なるほどと納得させられた。
 趣味はプロの将棋を見ること。小学校高学年の頃から好きで、最近は藤井聡太名人の活躍、その一手に大興奮らしい。大分市出身の58歳。
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