大分建設新聞

インタビュー

清永 隆志さん(中津土木事務所長)

2025年06月04日
 1992年九州工業大学を卒業後、県庁へ。日田土木事務所次長兼建設課長兼日田道路建設室長、土木建築企画課参事(総括)、竹田土木事務所長、公共工事入札管理室長、港湾課長などを経て、4月から現職。
 清永隆志所長は、職員人生の大半が中津日田道路の整備事業に携わっているという。都市計画決定時をはじめ、同道路の一部である耶馬溪道路、現在工事中の日田山国道路の事業などに取り組んできた。
 港湾課長時代は、中津港を活用するための施策に取り組み、その中で中津日田道路の全線開通による中津港の機能強化を強調した。「県内で北を向いた大きな港は中津港だけ。港の拡充が必要だが、道路が全線開通することで、熊本方面からの半導体関連資材などを中津港から出すことができる」と期待を寄せる。
 また、発生が危惧される南海トラフ地震では、県東南部で津波による道路や港湾の被害が予想されている。「中津港に救援物資を荷揚げし、中津日田道路と東九州自動車道を使って県東南部へ輸送することができる。中津日田道路の整備は、リダンダンシーの観点からも、大分県だけでなく、九州全体で重要になる」とした。
 中津日田道路が全線開通すれば、さまざまなメリットが生まれる一方、並走する国道212号では、交通量の減少が予想される。清永所長は212号の今後の在り方も模索する。参考にするのは、中九州横断道路が開通したことで同じく交通量が減った旧国道57号だ。
 交通量の減少で自転車が走りやすくなり、プロの自転車チームも合宿に訪れているという。「国道212号沿いには観光資源が多い。すでにあるサイクリングロードをベースに、もっと活用できないか中津市と協議を進めている。観光業をはじめ、宿泊業にもプラスになる」と、中津日田道路の事業完了後を見据える。実際、5月にサイクリングロードを活用した「ツールドやばけい2025」が開かれ、約800人のサイクリストでにぎわったそうだ。
 地域を守る建設業界へは、「平成29年7月豪雨では、私も中津土木で建設業者と一緒に対応した。地域建設業は、日ごろから継続して会社を経営してもらわなければ、いざという時に動けない。管内では世代交代も進み、若い経営者の姿を頼もしく思う。地域の安全安心を守るため、一緒に次世代を担う人材を育てていきたい」と語る。
 事務所職員へは、「報・連・相」の大切さを説く。「『報・連・相』を円滑にするには、まず相手を知り、他部署のことを知らなければならない。コミュニケーションを取り合いながら、風通しの良い職場をつくっていこう」と呼び掛けた。
 趣味は、玖珠土木時代に管内を知るために始めたロードバイク。今でも仕事終わりや休日に、管内の工事箇所や状況を確認するため、ロードバイクで走っている。「職員が携わる現場などを見に行っている。在任中に管内全域を走破したい」と意気込む。57歳。
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