大分建設新聞

インタビュー

グェン・ヴァン・トゥイさん(㈱中嶋工業)

県内業界初の特技2号

2025年09月02日
中嶋専務(左)とトゥイさん
 県内の建設業界で働く外国人の中で、建設分野特定技能2号(土木)の認定第1号となった㈱中嶋工業(日田市・中嶋厚社長、型枠工事業)のグェン・ヴァン・トゥイさん。日本で働く思いなどをトゥイさんに、外国人材の育成などについて、同社の中嶋和也専務に聞いた。
 トゥイさんはベトナムホーチミン市出身の36歳で、日本に来て9年目となる。ベトナムに住む家族は8人で、自分が使う最低限のお金以外は、すべて仕送りしている。「日本人の働き方、考え方を学べば、人生の大きな経験になるはず」と考え、日本に来日。職長・安全衛生教育や玉掛けなど多数の資格に加え、車の運転免許も取得した。
 来日して一番苦労したことは、日本語によるコミュニケーション。徐々に話せるようになると、他社の技術者や職人とも会話ができるようになり、作業の段取りや安全対策など、さまざまなことが把握できるようになった。「人柄も仕事も完璧」と中嶋専務も太鼓判を押す。
 トゥイさんの夢は、なるべく長く日本で働き、大きい現場の職長になること。故郷から遠く離れているが、「さみしくはない。日本が大好き」と笑う。専務いわく、トゥイさんは「日本人以上に日本人」らしい。どこかへ出掛けた際も、お土産を買ってくるなど、気遣いも人一倍できるそう。また、現場で働く他社の日本人、外国人労働者からも信頼が厚く、他社の外国人労働者の資格取得なども手伝っている。
 日本の暮らしは楽しいそうで、休みの日などは会社の仲間とバーベキューやスポーツなどもする。また、料理が得意で会社敷地内の畑で野菜を育て、日本料理やベトナム料理を作って仲間に振る舞う。ドラえもんの漫画が好きで、読みながら日本語の理解を深めている。
 中嶋工業では現在、カンボジア人2人、ベトナム人6人が働く。「トゥイたちは、日本人の若者と全然変わらない。会社も働き方改革などの労働環境改善をはじめ、外国人労働者たちが日本人と同様に生活できるようにしている。日本語の勉強会をはじめ、現場で必要な資格を取得できるように後押しすることで、日本で働いてよかったと言われるように育成していきたい。外国人たちの中では、国籍、会社の垣根を超えたつながりもできており、私たちも最大限の支援を続けていく」と話した。
 なお、8月28日にあった建設分野特定技能2号(建築)部門で、同社のカンボジア人ミットさんも見事に合格した。
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