大分建設新聞

インタビュー

高橋 強さん(県生活環境部長)

2022年05月18日
略歴~1986年、県職員に。当時の県立三重病院からスタートし、企画振興部ラグビーワールドカップ2019推進課長、南部振興局長、企画振興部審議監などを経て、今年4月から現職。59歳。
 「新しいところでは脱炭素、温暖化対策もあり、人権問題、廃棄物対策、防災、男女共同参画、自然保護、食品衛生など、いろいろな分野で県民の生活と環境を守る生活環境部は守備範囲がとても広い」と、高橋さんは多岐にわたる分野を持つ職場の紹介から切り出した。
 さらに「規制、つまり守りの部分もあるが、温暖化や水不足などの環境問題、人権や差別などの社会問題が直面している課題に取り組み、長期的な成長に必要な(環境、社会、ガバナンスを考慮した)ESG投資のように攻める部分もある」と、攻守にわたる仕事分野も強調した。
 「大分はものづくりの県で、かつ再生可能エネルギーの先進県でもある。そういう要素をうまく使って脱炭素と産業振興の両立を可能にするなど、商工観光労働部をはじめ庁内の横の連携をとって大分モデルを作っていかなければならない」と、大分の持つ高いポテンシャルを活かすことの大切さを示した。
 職員には「県民の生活と環境を守り、より良い県民生活を作っていく仕事にプライドを持つように」と話している。また、若い技術職員が多いので「魅力ある未来志向のやりがいのある職場づくりを意識している。仕事はチームワークの組織力で取り組む」。これは高橋さんが、ラグビーのワールドカップ2019開催時に推進課長をしていた時の経験から得た教訓だ。
 高橋さんは今年度の課題を三つ挙げている。一つは脱炭素、循環型社会の実現。持続可能な社会づくりを目指した取り組みで、2050年のカーボンニュートラルに向けて温暖化対策を進める。現在は、実施計画の見直しに着手しているところで、気運醸成、意識改革、啓発活動などできることから積上げを始める。二つ目は女性活躍。「女性の役割は非常に大きい。女性が活躍できる社会づくりに力を入れる」。そして三つ目は私立学校、専修学校の助成金の取組み。「今年度はICTの支援にも力を入れて理工系女子をしっかりと育てる。SNSでの応援や研修、バスツアーなどを考えている。できれば県内に就職してもらえるように」というのが目標。
 建設業界への抱負は「住宅・建築物に対して省エネルギー基準をZEH・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)水準に段階的に進めていく。プラごみの再資源化、建設リサイクルを引き続きしっかりと取り組んでほしい」という。産業廃棄物のボリュームが大きい建設業界には、排出事業者、収集運搬業者、処分業者の3者のやり取りを電子化した電子マニフェスト制度を今まで以上に利用してほしい、と強調する。
 また、女性活躍についても「最近の建設業は意識が高く、女性活躍宣言にも多くの参加をいただいている。ドローンや遠隔臨場、あるいはファシリティの部分にも女性活躍の分野が開かれているので今後も力を入れていただきたい」と期待する。一方、科学振興では「中高生への進路指導で建設業への理解も深めたい」と語った。
 高橋さんのスイッチオフはロードバイクで走るロードレース。なんと以前は県内一周駅伝にも出場した健脚を持ち、トライアスロンにも挑んでいた鉄人だ。乗れない日はeスポーツソフト「ズイフト」でエキサイトする。
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