大分建設新聞

インタビュー

岸元 和明さん(別府土木事務所長)

2022年06月20日
略歴~1987年広島大学工学部土木工学科卒業後、県職員に。県砂防課を初任地に中津土木、臼杵土木、豊後高田土木事務所長、公園生活排水課長、港湾課長などを経て、4月から現職。
 「別府土木は初めての勤務。県を代表する観光地を含むエリアを管轄するのは、責任重大」と語る岸元和明所長。
 源泉数日本一を誇る別府は2854もの源泉があり、別府八湯を巡る観光客、また外国人留学生も多く、観光資源や観光コンテンツが非常に充実しているエリアでもある。「道路改良率は県内3番目と進んでいるが、県の観光振興につながるインフラ整備に、さらに力を入れていく」と続ける。また「前任者が進めてきた事業で最終段階を整えつつあるもの、また今後新たに着手していくものと両方ある。どちらも確実に進めていきたい」と力強く述べた。
 注目する管内事業には、上り車線で暫定供用された富士見通南立石線の早期完成を挙げた。完全4車線化、ガードパイプなど供用時の安全対策整備も今年度中に進めるとし「市民が使いやすい道路、快適に生活できる空間が、観光客にも快適な空間になる」と語る。
 同様の考えから「国道500号交通安全事業明礬工区」も注目事業に挙げた。市内から宇佐市安心院方面へ抜ける道は、明礬温泉という人気の観光名所へ向かう道でありながら、歩道幅員が狭く、大型バスの離合も安全とは言えない。今後、道路を海側(旅館側)へ拡幅する予定で、工事を第2四半期に発注予定で進めている。
 国道500号については、電線共同溝による無電柱化に触れ「発災時に電柱倒壊などにより通行できなくなるリスク軽減はもとより、温泉の湯けむり景観が電線の地中化でさらに美しく引き立つのは、観光客にとっても喜ばしいこと」と、市民・観光客両方の目線で見るインフラ整備にブレはない。
 一方「整備が進んでいるようで、課題も多い」と言う。急傾斜地対策については、県内11番目の整備率であることや、別府港の2023年1月フェリーさんふらわあ大型化に向けての防衝ゴム板整備などについても語ってくれた。課題は山積ながら、国土強靱化への歩みがより一層加速していることを感じる。
 最近の建設業については、災害対応や日々の道路維持管理などについての感謝を述べ「人財の確保、労働環境の改善、業務量の平準化、業務の効率化は、われわれ発注者側も取り組んでいくべきこと。業界に丸投げするのではなく、持続可能な建設業界を一緒に考え、作っていきたい」と、官民一体となった問題解決への姿勢を強調した。
 「これまでインフラは『量』を高めてきたが、今度は『質』を高めていく番」と語る岸元所長。別府の質の高い温泉、接客と合わせ、こちらの質も今まで以上に高めていくだろう。
 趣味はゴルフと野球。どちらも白球を飛ばし、ストレスも一緒に吹き飛ばす。現在は8月の土木事務所対抗野球大会に向けて練習中だ。「ライト、8番です」と笑う。活躍を期待したい。国東市出身の57歳。
名鑑CDバナー
インボイス
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP