大分建設新聞

インタビュー

河野 哲也さん(日出水利耕地事務所長)

2022年06月24日
九州大学農学部農業工学科を卒業し入庁。農村基盤整備課、農村整備計画課で参事を務め、豊肥振興局、中部振興局で農林基盤部長を経て、4月から現職。
 東部振興局には勤務経験があるが、日出水利耕地事務所の勤務は初めて。同事務所が所管する事業は、杵築市、日出町、別府市の農業農村整備事業に加えて、意外に知られていない日出生台・十文字原演習場周辺の障害防止対策事業など。
 河野さんは「以前は役所が中心になって仕事を提案してきたが、今の時代は営農部門や地域のパイプ役を担う皆さんの協力が必須だ」と強調した。「とにかく自分の担当の現場をこの目で見ること、そして若い人の意見に耳を傾け、時には議論することの重要性を意識している」と姿勢を示した。
 時代の流れで効率化は進んだかもしれないが、仕事で発生するストレスは以前より多くなっており、働き方改革を進めている中で「職員にはメリハリを付けた仕事をしようと背中を押している」と話し「DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用して実践したい」と現在の周辺環境をくんでいる。
 さらに「内部的な仕事より外部との接触は今まで以上に丁寧に行うように指示している」と言う。それは「現場での対面のコミュニケーションには人間力がいかに大切かということだ」と強く念を押す。
 農業の課題は担い手の確保。そのためには作る人を中心としたハードウエア整備が必要と前置きし「例えば、大きな面積を少人数で使う。お茶、ミカンなどそれぞれの畑に合わせてオーダーメイドで基盤を作っていくなど、先に基盤整備ではなく、使う人に合わせる。まず担い手の話を聞くのが課題解決を図る第一歩だ」とする。
 この地域のポテンシャルは高いので「若い農業参入者に優良な農地を確保する」と大きな期待を持たせる。一方では、住める場所を確保するためには防災、減災による整備の大切さを話す中で「杵築にはため池も多く整備が必要で、田んぼダムの杵築モデルも計画している」と語る。
 建設業界については、経営者に話を聞くと、とにかく地元のことをよく知っている、そして地元のことをよく考えていることがわかる。「決してビジネスライクでない地元意識には深く感謝している」とし「現場で汗をかいて成果を実現してくれる皆さんは、今まで以上に重要なパートナーだ。場合によっては、工事の工法なども相談させていただいて、さらに良い結果を残したい」と建設業界への強い協力の気持ちを表して話を終えた。
 働き方改革を進める立場でのスイッチの切り替えは、健康づくり。今まで運動に取り組んできたが、コロナ禍で思うように活動ができていないという。スポーツ観戦はどんな種目でも熱く応援する。大谷翔平選手には特に力がこもるという。
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