大分建設新聞

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建設発生土の「指定利用」 中建審が了承、勧告〈国交省〉無料

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2022年06月24日
 国土交通省は、工事の発注段階で建設発生土の搬出先を明らかにする「指定利用」の実施を、標準請負契約約款に新たに規定した。21日に開いた中央建設業審議会(中建審)で約款の改正案を了承、公共と民間の発注者に勧告した。元請け業者に対しては、国交省が再生資源利用促進計画制度を強化し、建設発生土の再生利用を含めた適正処理を促していく。
 今回改正した約款は、全ての公共工事に適用する「公共工事標準請負契約約款」と、大規模な民間工事に適用する「民間建設工事標準請負契約約款(甲)」の2つ。
 公共工事については、仕様書に建設発生土の搬出先の名称と所在地を記載することを「標準」と規定。
 大規模な民間工事では、「建設発生土の搬出先を定めることが望ましく、困難な場合でも、元請け業者により建設発生土が適正に処理されているかどうかを確認することが求められる」と明記した。
 発注者が建設発生土の搬出先を指定した場合は、搬出先を記載した書類を契約書に添付することも定めた。
 建設発生土の運搬・処分費用については、「適正に積算に反映」し、契約締結後の予期せぬ費用増にも適切に契約変更すべきとした。
 再生資源利用促進計画制度の強化では、元請け業者に作成を義務付けている再生資源利用促進計画書について、対象工事の拡大(現行1000立方㍍の引き下げ)、保存期間の延長(現行1年)、発注者への報告と建設現場への掲示を義務化する。搬出先の知事許可の事前確認と搬出後の土砂受領書の確認も義務化を検討する。
 建設発生土の指定利用を徹底し、搬出先を明確にする方針は、静岡県熱海市の土石流被害を受けた内閣府の提言に盛り込まれた。
 公共工事での指定利用については、国の発注工事でほぼ浸透しているものの、地方自治体の発注工事での取り組みが遅れており、改善の余地があると言う。
 21日の中建審ではこのほか、暴力団排除規定の約款も改正。公共工事からの暴力団排除を徹底するため、受注者の「役員等」が暴力団と関係していることが判明した場合などに、直ちに契約を解除できる発注者の解除権も明確にした。
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