大分建設新聞

インタビュー

小川 智史さん(㈱小川工業副社長)

2022年10月05日
 中津市今津の㈱小川工業の小川智史取締役副社長を訪ねた。同社は舗装工事で成長を遂げてきた。その歴史を伺うと小川副社長の歩んだ道と重なる。
 「父の興した会社の後を継ごうという気持ちはなく、土木科に進学しなかった」と話す小川さん。しかし、子どもの頃から現場で汗を流す父の背中を見てきたからか「何のためらいもなく入社して、土木施工の見習いとして下積みを重ねた」と振り返る。
 幼い頃は少年野球でチームワークを学び、高校時代は社会人ソフトで市役所のチームに加わり人間関係を築いた。その後「土木の仕事では県の方々に育てられた」と深い感謝を表し、中津日田道路の山移―大島間では山移安全協議会の会長として「工程調整が本当に大変だった」と話す。さらに同区間の開通式では、山移4号橋の橋床に中津北高校の書道部が揮毫したことで、かつての恩師を招待して「今となってはとても良い思い出になった」と懐かしむ。
 「会社はまだまだ成長の過程にある。さらに成長を遂げるためには人が重要だ」と言い切る。企業は生き物、時代の流れに乗り、完全週休二日制や女性活躍などは当たり前で「さらにICT技術も積極的に活用して現場監督の負荷軽減にも取り組む」と将来へのビジョンを力強く語る。
 「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という山本五十六の言葉を尊重しており「自分が見本を見せることを大切にした上で若者に陽を当てたい」と次の世代の担い手に期待を寄せている。
 舗装工事を通して道路の重要性と地域の方々の協力の大切さ学んだという小川さんは「仕事をしているのではなく、仕事をさせてもらっている。地域に支えてもらっている自分たちがある。それが、社会資本整備の根幹だ」というポリシーに力を込めた。その証として、災害復旧は最優先に取り組み、地域の不便を少しでも抑えることを意識しているという。また、地域の交通安全活動にも長年取り組んでおり、地元の今津小学校の児童のため交通安全教室を継続している。
 一方では、児童養護施設清浄園にクリスマスプレゼント、年末のお餅つき、節分の恵方巻と、利用者の心に灯をともすボランティア活動も継続している。
 小川工業が社会貢献に尽くす背景には、小川さん自身が人に恵まれてきたことを謙虚に受けとめ、自然に恩返しをしていることを明確に感じた。
 仕事では妥協を許さず徹底的にやり遂げる小川さんは、ゴルフ、船釣りでオフを過ごし、心身を整える。「1歳の孫と過ごすのも楽しみ」と笑顔で話を終えた。
名鑑CDバナー
インボイス
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP