大分建設新聞

インタビュー

林 浩行さん(㈱木元電設社長)

2022年12月01日
 杵築市猪尾の㈱木元電設に、今年6月に代表取締役に就任した林浩行社長を訪ねた。林さんは、開口一番「若手の教育が喫緊の課題」と、働き方改革を推し進めるなかで人材育成の重要性から語り始めた。定年は65歳で、時代の潮流にはすでに乗っているが「熟練工や中堅リーダーから若手への教育は決して満足していない」と厳しい目を向ける。そこには、木元電設が大分県知事が許可する29業種の建設業許可の内27業種を取得し、維持しており、精鋭社員が複数の資格を持つことが必要だという事情がある。ただし、許可をたくさん得ているからといって無謀に手を広げる訳ではなく「あくまでも柱は電気・通信工事と管・機械工事。事業の柱は揺るぎないものにしておかねばならない」と力を込めた。
 一方で、2010年にエコアクション21の認証登録、20年には品質のISO9001と環境のISO14001の認証も取得しており「業務の性格上、省エネ製品の普及や省エネ工事、今やどこでも耳にするZEBやSDGsを避けては通れない」と、品質保証と環境保証が欠かせない業態を強調した。
 また、木元電設はボランティア活動にも積極的で、小規模集落応援隊だけでなく「杵築市まちピカ運動や小学生カブトガニ干潟観察会などにも、地域密着型企業として支援の手を広げている」と語った。
 品質保証、環境保証、ボランティア活動は、もはや社風で「昨今では、入社試験を受ける生徒の選択条件になっている」と話し、これらのことは最近取り組み始めたわけではなく「初代社長が古くから取り組んできたことの延長線上に線を引いているだけ」と謙遜する。
 前述の建設業許可の積極的な取得も初代社長のビジョンから始まったが、地球規模での異常気象やエネルギー問題で社会が変わりつつある中で「人の暮らしとの接点を受け持つ事業を営んでいる会社としては、これからがむしろ重要な局面を迎える」と将来への重責を噛み締めた。
 国立大分高専土木工学科を卒業し、関東のゼネコンで働いた後、帰郷して、県内ゼネコンに在籍していた時に「遠縁に当たる初代社長から声を掛けられて、土木技術者から方向転換の舵を切った」と懐かしく振り返る。「畑違いのように見えるが、公共工事の比率も高く、かつての経験がとても役に立つ。初代社長のビジョンを発展させて、時代に合った明るい風を吹かせたい」と話しを結んだ。
 「オフは孫と過ごす時間が楽しみ」と目を細める林さんには、間もなく2人目の孫が生まれる。
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