大分建設新聞

インタビュー

高島 綾沙さん(伸和建設㈱)

2023年01月17日
 弊紙の昨年秋のフォトコンテストで最優秀賞を受賞した伸和建設㈱(中津市)の高島綾沙さん。そこで、受賞した写真撮影のきっかけを聞いた。
 受賞作品は工事現場に立つ社員の写真だったので、写真が趣味の方が現場で撮ったものをエントリーしたのだろうと思ったが、意外にも写真は趣味ではないと言う。会社の総務部で人事を担当する高島さんは「社内の働き方改革は進んできたが、現場で女性が活躍する姿をもっと陽の当たるところに、という気持ちでシャッターを切った」と、受賞作品の撮影時の思いを話す。
 高島さんは、建設産業における女性活躍推進への取り組み「BLOCKS」に参加して、建設ブランドマネージャーコースの第1期生だ。そこで建設会社で使命感を持って働く技術者・技能者の思いや、現場の姿などを写真やインスタを通じて伝えることを学んだ。「BLOCKSで学んだこと、出会ったメンバーは私の財産」と高島さんは強調する。
 5年前、当時医療法人で働いていた時「子どもの成長に伴い、フルタイムでの仕事と育児の間で、どちらも手を抜きたくないというスタンスを持っていたので葛藤に悩まされた」そうだ。そんな時、働き方改革を進めていた伸和建設との縁に恵まれ入社。多方面な事業を手掛けている同社の中で建設部門に足を踏み入れることになった高島さんは「建設業は未知の世界で不安しかなかった」と当時の気持ちを語るが、自身の仕事と子育ての両立については、社長(山本寛泰代表取締役)の細やかな協力もあり、今では社員の採用に力を入れている。
 一方で、若い人材は増えたが(人事の立場から)「もっと育成に力を入れなければならない。定着率も上げなければならない」と課題も示した。
 同社では、仕事と育児の両立のため企業主導型の保育園も運営している。「女性の働きやすい会社が、誰もが働きやすい会社だ」という高島さんの言葉には、根気強く社員との対話を積み重ねてきた中で掴んだ説得力がある。
 さらに、単なる(社員の)相談相手ではなく、会社全体の業務改善にも取り組んでいる。しかし満足できる成果が出ていないことに悩んでおり「国や県が進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を導入して成果に結び付けなければならない」と一歩先のテーマにも視線を向ける。
 同社は働き方改革が進み、女性が活躍する会社として前進しているが「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)という視点からも会社を見直さなければならない」とさらなる課題を自分に向ける高島さん。近く広瀬勝貞知事との対談も予定されている。「2人の子どもと過ごす時間」が高島さんの癒しの時だ。
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