大分建設新聞

インタビュー

吉田 三四郎さん(㈱京真電設)

2023年01月23日
 全日本電気工事業工業組合連合会が主催して、2022年11月30日、12月1日に神奈川県横浜アリーナ会場で行われた第4回電気工事技能競技全国大会で、見事銅賞を受賞した㈱京真電設(大分市)工事部の吉田三四郎課長に話を聞いた。
 以前、同社の柴山礼治社長から「(彼は)競技の時の姿勢がほかの選手とは一線を画している」と聞いていたが、本人は「自分は決して作業のスピードが速いわけではないが、同じゴールを目指す中でムダな動きを減らすための準備を大切にしている」と強調する。
 そこには「仕事をいかに効率よく進めるかを常に考えている」という日頃からの一本通った筋を感じた。その背景には、電気工事業に携わる前に製造業のラインで働き、効率を追求した経験が生きている。
 19年10月の大分県技能競技大会で第2位、同年11月の全九州技能競技大会で第7位に入賞したことで「スピードは遅いが段取りの良さが評価された」と話し、これが自信につながったと言う。その3年後、コロナ感染拡大により中止になっていた全国大会の再開で冒頭の快挙をつかんだ。
 何事も「ダメだと思わずに諦めずに取り組めばできる」と語る吉田さんの真似はなかなかできないが、上司の足立雄一総務部長は「今や部下や後輩の見本となり憧れの存在になっている」と太鼓判を押す。
 同社に入社したきっかけは、製造業から電気工事業に転職する際に三つの会社を検討していたが決めきれず、兄の知人である柴山社長に相談したところ、快く3社の違いを教えてくれたこと。そんな、家族のように話す柴山社長の言葉に惹かれて「そのまま京真電設にお世話になることを決心した」というエピソードも打ち明けた。
 入社当時は、とにかく仕事を覚えていくことが楽しくて仕方なかったが、やがて会社の都合で応援に行ったほかの会社にもすごく仕事のできる人がいて、彼らが陰で懸命に努力している姿を見たことが今の自分につながっていると言う。「今、ここまで来て、それがよく解かる。いろいろな会社の人に育てられた面もある」と吉田さんは振り返る。
 現場での豊富な実務経験、大会での競技成績を積んできた吉田さんは、今や若い社員を育てる立場にある。「若い人にも良いところはたくさんある」と謙虚に語るが、若い社員の教育時間を捻出するために自身が陰で仕事をこなしている点もいかにも吉田さんらしい。
 さらに、若い人への教育にとどまらず、工務部が担当する設計を理解しようと自己啓発でCADの教室に通って図面が描けるまでになったというから驚きだ。
 京真電設では仕事、仕事で実績を積み上げてきたが、今年は一息入れて「婚活に力を入れてみようと思っている」と微笑して話を終えた。
名鑑CDバナー
インボイス
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP