大分建設新聞

インタビュー

渡邉 赳史さん(㈱アーテック)

2023年03月07日
 コンクリート構造物の点検、調査、補修、補強工事に加えてコンクリート試験事業も展開する㈱アーテック(日田市、彌永穂高社長)で、橋梁やトンネルなどの社会インフラの維持管理を担っている渡邉赳史さんを訪ねた。
 地元日田市で育ち日田林工高校の建築土木科を卒業して、一旦は県外の土木会社に就職したが、3年ほど前にUターンしてアーテックに入社。今では同社の期待の星となって、県内にとどまらず九州北部全域をエリアに汗を流している。
 以前、大阪の会社に就職したものの赴任地は東北の宮城県で、新設の高速道路の下部工に携わった。橋台が出来て高速道路が延びていく建設工事に「充実感も報酬も得ることはできたが、故郷から遠い地で働くことに辛さも感じていた」と振り返る。そういう事情で渡邉さんは、もう少し故郷に近いところで働けないかと希望を出していたが、宮城県の工事が終わると「さらに遠い岩手県への異動が決まったので、Uターンを決心した」。
 日田に戻ってからは前職と違う新しいことにチャレンジしたいと考え、目に留まったのが橋の補修や補強を行う建設会社アーテック。入社して業務に携わると「同じ橋を目の前にする仕事なのに、とても新鮮で面白かった」と初心を思い出す。しかし、「新設の工事とは専門用語も全然違うし、橋ごとに施工方法や材料が異なるため、慣れるまでが大変だった」と苦労話も。
 渡邉さんは社内で一番若いが「周りから求められている仕事の内容や、自分のするべきことをきちんと理解しており、安心して仕事を任せていられる」と彌永社長は全幅の信頼を寄せている。そこは、土木を学び土木会社での経験もある渡邉さんだが、彌永社長が見ているのは、コミュニケーション能力や学んだことをきちんとノートにまとめるなど仕事に対する意識の高さ。
 大きな会社で歯車の1人として構造物の建設を進めて行くのと違い「アーテックでは、小さいながらも1人で現場を任せてもらえるので達成感が大きい」と充実感を強調。
 渡邉さんが尊敬する上司の部長は、親子以上に歳が離れているのに高い身体能力と多くの経験の持ち主。「追いつくことは難しい」と語る一方で、早く1級土木施工管理技士資格を取得して「部長を助けられるようになりたい」と将来の目標に力を込めた。
 日田市のサッカーリーグで汗を流してストレスを解消するという渡邉さんは「今は人間関係の良い社内に加えて、同級生や友人も多く公私ともに充実している」とうれしそうに話を結んだ。
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