大分建設新聞

インタビュー

永田 哲也さん(佐伯河川国道事務所長)

2023年05月10日
 略歴~福岡大学工学部土木工学科を卒業後、1992年入省、熊本河川国道事務所副所長、2021年から本省道路局企画課付(復興庁統括官付参事官付参事官補佐)を経て、今年4月1日付けで現職。
 1992年の建設省(現国土交通省)入省以来、初任地の長崎工事事務所を皮切りに整備局管内の道路畑を担当。しかし「九州地方整備局の大分と宮崎を含めた東九州の出先機関勤務は初めて」と話す永田哲也さん。
 「管内には五つの市があり、風光明媚な景観や特色のある歴史や文化、また、地域の様々な取り組みに対し、地域の力を感じる」とした上で、「ここ佐伯市はなんといっても魚が新鮮で美味い。仕事もしっかり対応するが、一日でも早く地域になじみ、魅力を思う存分満喫したい。また、道の駅巡りも堪能したい」と管内の印象を語る。
 初任地の長崎工事事務所では、90年11月の雲仙普賢岳噴火で被災した地域の安全な通行を確保するため、道路整備の調査・計画から工事までの一連の流れを経験した。県や市・町の担当者と一緒に地元に出向き、事業協力のお願いに回り、何とか理解をいただき調査や用地取得などに着手することができた。この時の災害復旧に向けた、非常に濃密な短期間の経験が「仕事に対する原点」と振り返る。
 事務所の運営について「国民の安全安心の確保に向け、地域の方の声に耳を傾け、信頼される事務所を目指したい。仕事の中心は河川と道路の整備と維持管理。これまで幾度となく被災した番匠川は、堤防強化や流下能力向上に向けた河道掘削などを進める。引き続き、地域の皆さんが安心して暮らせるよう維持管理に努めたい」と抱負。また、道路整備では、同事務所は現在、中九州横断道路「竹田阿蘇道路」の竹田ICから県境までの事業を展開している。「地域の方々にご理解とご協力をいただきながら円滑に推進できるようしっかりと対応したい。また、交通安全対策などの局所的な交通の課題に対しても、積極的に取り組みたい」と地域との連携を強調した。
 職員には「事務所運営と同様、地域の方々の声を聞き、地域に喜ばれる仕事、信頼される取り組みの徹底をしてほしい」とした上で「火事場の馬鹿力と言われるが、そうした力は無いとよく上司から言われる。まさに災害時に発揮できる力は、日頃の危機意識を持った行動から生まれる。そのために常に危機意識を持つような日常の準備をお願いしている」と日常の意識の大切さを話す。
 業者に対しては「まずは、地域の方々が安全安心に暮らすため、発災時はもとより日頃の防災面での体制の確保と協力に感謝したい」と述べ、「土木の世界は経験が重要なだけに、地域で発生したさまざまな過去の事象など、よく理解している地元業者の皆さんとコミュニケーションを図り、連携を取りながら防災対応に当たりたい」と呼び掛ける。
 福岡市の自宅は、2020年4月から奥様と2人の子どもに託しての単身生活。「趣味はスポーツ観戦。前職の復興庁の勤務の際は、帰省もままならず、休日は宿舎近くの多摩川でジョギングや散歩をしていた。佐伯に来て番匠川の堤防を通勤時に利用するが、鳥のさえずりなどが聞こえ、自然が癒しとなり、新鮮なものとして感じている」と笑顔で話してくれた。長崎県出身。53歳。
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