大分建設新聞

インタビュー

財前 基治さん(国東重販㈱社長)

2023年10月04日
 略歴~久留米の自動車専門学校を卒業後、1993年に入社。杵築市狩宿の本社で整備士、営業職として勤務。2022年2月より現職、50歳。
 「緊張しているので、お手柔らかに」と、こちらの気持ちをも楽にしてくれるような笑顔で迎えてくれたのは、国東重販㈱の財前基治さん。2代目社長という重責と、社会や業界の大波と共に目まぐるしく変わる建機リース業界について話を聞いた。
 「長男ということもあり、家業を継ぐのが当たり前だと思っていた」と、昔を懐かしむように話し始めた。高校を卒業後、久留米の自動車専門学校へ進学。自動車整備士、ガソリン・ディーゼル整備士などの資格を取得し、卒業後はすぐに杵築市へ戻り国東重販の本社へ入社した。「一代で会社を築き、ここまで成長させてきた社長(現会長)の背中を見ながら、それでもマイペースでやってきた方だと思う。周囲のスタッフも社長の家族だからと特別扱いはせず、一社員として接してくれたのがありがたかった」と入社当時の印象を語る。
 誰もが通る、社会人の道も経験した。「入社して最初の頃は整備士としての勤務で、その間は職人さんたちにビシビシ鍛えてもらった。怒られたことも良い思い出」と笑う。「その後10年ほどで営業にまわり、お客さまとの対話や商品が売れるまでの流れなどをひと通り勉強した。この時期に、業界の中での会社の役割、また会社の各部署の役割などがしっかりと見え、一気に視野が広がるのを感じた」と言う。「自分の仕事に自信が持て、お客さまとの関係が構築できるようになると、仕事は一気に面白くなった」と語る。
 2代目というプレッシャーにも仕事を通して変化が訪れる。「建設業者の同世代、2代目の方々と仕事やゴルフなどの交流を通じて関係を深めることができた。同業者の方とは、情報交換をする中で同じ悩みを共有することもでき、励まし励まされてきた」と優しく頷く。「この関係は一生ものだ」とも続けた。
 業界については「エリアで分かれている業界ではあるので、リース一本では時代の変化について行けず、難しい部分もある。中古建機の販売や、ダンプ車、散水車などの特殊車両も充実させていきつつ、一般の方も利用するレンタカーなどにも力を入れていきたい。本社の近くには大分空港、来春からはホーバーの運行も始まる。この立地を生かしてレンタカーの利用も伸ばしていきたい」と期待を込めて語る。
 建機は建設業の現場だけで活躍しているわけではない。「鶏インフルエンザの発生時は、加盟している協会と県との協定に基づき、素早い初動対応が求められる。24時間、いつでも動けるよう常に態勢を整えている」と言う。
 「地域の安全安心は、われわれの手で守る」―建設業と共に誓う建機リース業界の底力を垣間見た気がした。
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