大分建設新聞

インタビュー

高山恵利佳さん(㈱高山組)

2023年11月28日
略歴~2018年早稲田大学商学部卒業。東京のゼネコンでPPP/PFI関係事業を手掛ける部署で経験を積む。22年7月に家業の㈱高山組に入社。資格取得や女性活躍推進のための変革に意欲的に取り組む28歳。
 「インタビューなんて初めてです」と緊張した面持ちながら、輝く笑顔で迎えてくれたのは、㈱高山組のフレッシュな営業担当の高山恵利佳さんだ。スラリとした長身に作業服がよく似合っている。建設業界で働くきっかけや普段の仕事内容、親の会社で働くことや、今後の目標について話を聞いた。
 「親の職業なので、子どもの頃から土木や建設業はとても身近にあった」と語る。従業員とふれあう機会や、仕事を間近で見る機会も多かった。「その中でも強く記憶に残っているのは、災害が発生したときの対応。(夜になっても)全員が寝ずに、最優先で現場に向かう姿を見て、純粋に『かっこいい』と思った」と言う。
 高校卒業時に進路を選ぶ際、建設業の道に進みたいことを親に伝えた。が、意外にも難色を示される。「女の子だし、その道だけに限定せず、建設業を含む広い選択肢のある学部へ進学することを進められた」そうだ。選んだ学部は商学部。「将来の経営も視野に入れて選んだ」と恵利佳さん。
 商学部で勉強しながら卒業時まで建設業界へ進む思いは変わらなかった。「卒業後は東京のゼネコンに就職し、PPP/PFI・コンセッション関係の事業に関わった。さまざまな事例を目にし『ただ造るだけではない建設業の可能性』に手応えを感じ、刺激を受けた」と語る。
 経験を手に2022年夏に帰郷、高山組に入社した。「より現場に近い職で、3Kと呼ばれる業界であることも分かった上での入社。しかしDXや機械の進化によって、昔ほど過酷な現場ではないことを、いまの若い人や同じ女性の方に知ってもらいたい」と、自身の経験から強調する。「現在の主な仕事は対発注者と関わることの多い営業だが、取得しているドローンの資格を生かし、現場で空撮などを行うこともある」と言う。「社内の先輩に教えてもらいながら、常に勉強」との姿勢を崩さない。
 今後は「2級土木施工管理技士の資格を取得することと、今年できたドローン操作の国家資格を取得すること」を目標としている。また「社内のDX化の推進、ICTの活用を推進していきたい。ドローンデータの三次元化など工事管理のバックオフィス化を進めることで、もっと女性が建設業界で活躍できる余地があると思う」と業界の未来を見据えている。
 親の会社で働くことに関しては「一緒に働ける時間は有限。今からの限られた時間内で、より多くのことを吸収し、自分ができる幅を広げていきたい」と言う。
 趣味は友人との旅行。長崎―佐賀で開通した西九州新幹線にも既に乗った。「旅行で県外に行っても、工事中の場所は気になります」と笑う。
 女性から見てもかっこいい、業界で働き躍動する女性が、確かに目の前にいた。
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