大分建設新聞

インタビュー

伊藤綾香さん(㈱匠研工業企画課長)

2024年03月15日
 14年間勤務した前職の保険会社を退社して、数日のうちに給排水設備工事業の㈱匠研工業(由布市・鹿田研二社長)に入社した。2022年7月のことである。「本当はゆっくり休みたかったんですが」と笑う。常に動いていないといられない性分と本人が言うだけあって、いかにも活発そう。
 弟が勤務している会社で、前職の得意先でもあった。退職のあいさつ回りで訪問した際、鹿田社長が声を掛けた。「いつからでもいいから、来てくれないか」。入社の誘いだった。
 当時、コロナ禍で保険業界も厳しく、営業先の企業に立ち入れない、人にも会えないという状況で、在宅勤務を余儀なくされていた。長年勤務した会社だけに相当悩んだというが、思い切って退職を決めた。当分は仕事をしたくないという思いが強く、子ども2人との生活を考えてのことだった。
 仕事は採用関係、SNS対応、保険、経理関係など多分野にわたる。安全協議会の資料作成もしたことがある。いずれも以前は社長自身が担当していたもので、企画課長のポストも新設されたものだった。
 前職よりは精神的にはきつくないというが、それは「これまでの積み重ねがあってのこと」と話す。
 1年目は慣れることに必死だったという。2年目に入ると、「自分にとっても会社にとってもプラスになるよう、キチンとしっかりやらねば」と自分に言い聞かせる。衛生設備、消火設備、空調設備など配管施工業務については「全部命にかかわることなので重みを感じる」と受け止めている。
 現在は、会社が昨年7月から始めたカブトムシ、クワガタ販売専門店とファストフード店の担当も務めている。
 子育てと仕事に追われる毎日だが、リラックスできる趣味は映画を見ること。最近「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」を映画館で見た。現代の女子高校生が1945年6月にタイムスリップして特攻隊員の男性と偶然出会い、恋に落ちるというラブストーリーである。太平洋戦争で終戦直前に特攻出撃により帰らぬ人となったという零戦パイロットを描いた映画「永遠の0」も見ている。
 旧陸軍の特攻機の出撃基地だった鹿児島県南九州市にある知覧特攻平和会館を何度も訪れたことがあるという。隊員の遺影や遺品、記録など貴重な資料が展示されている。「なぜだか分からないが、そういったことが気になるんです」。
 伊藤さんには、何か特別に使命感を感じられる事柄に夢中になれる気質があるようだ。
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