大分建設新聞

インタビュー

宗像 和佳さん(㈱友岡組)

2024年04月15日
 会社初の女性施工管理技術者として2023年4月に入社。業界へのもっと多くの女性参入を願いつつ、現場作業に従事している22歳。趣味のイベント、コンサートには、遠方でもどんどん出かける行動派。
 昨今では「女性活躍推進」という言葉をよく耳にするようになってきた。しかし、まだまだ建設業界においては少数派。会社単位で見てもその比率差は明らかだろう。訪問した豊後大野市大野町大原の㈱友岡組は従業員数102人。そのうち女性は18人。「もっと女性が働きやすい業界に」と、奮闘する同社の取り組み「友岡組女性活躍サポート―sapomoka(サポモカ)―」を追った。
 立ち上げは、今回インタビューに応じてくれた宗像和佳さん(22)を2023年4月に新卒採用したことに起因する。「地元の三重総合高校を卒業し、福岡のIT系専門学校に進学した。卒業後はUターンし、地元で働きたい希望が強かった」と語る宗像さん。畑違いの業種にも思えるが「自分の仕事が地図に残る、目に見えて地域をより良く変えることができる―という部分に興味を引かれた。面接での丁寧な対応、きれいな社屋、祖父母や親も名前を知っている会社ということで、不安はなかった」と言う。
 施工管理技術者として初の「現場に出る女性」を迎えるに当たって、会社側のサポート体制づくりは急ピッチで進められた。担当者が選ばれ、相談しやすい窓口体制の整備、現場に出向いて実際の声を収集し、女性専用休憩室やトイレの設置、女性用作業服の準備などを行った。
 勤務歴1年を迎えた宗像さんに率直な感想を聞くと「建設業は努力の成果が目で見える業種。工事の施工過程を経て、地元の景色が変わっていくのを見てやりがいを感じている。サポモカのおかげもあり、困ったことは素早く解決されていくので、社員の声がきちんと届いていることを実感できる」と笑顔。
 驚いた会社の対応もあったと言う。夏の暑い季節、女性の外仕事では日焼け止めや汗拭きシートが欠かせない。消耗が激しいため費用もそれなりにかさむ。それを雑談程度に話したところ、会社側が外働きの社員を対象にその購入費を負担してくれることになったのだ。「ほかにも生理休暇の認知促進など、社員の困っていることを把握し理解してくれているのでうれしかった」と語る。
 サポモカは「女性だから特別扱い」という偏見が出ないよう、社内の女性や全体を監督する役割も果たしている。また男性社員にも同じように、体調不良や育児休暇などで休みが取りやすい環境、様子が心配な女性社員に声掛けしやすい環境をつくっていこうと、「社員みんなの架け橋となって改善に向けてサポートする」ことで、活動の幅も広げようとしている。
 同社にはこの春、新卒でまた一人、女性社員が入社した。「先輩、後輩と協力して、これまで以上に頑張ります」とポーズを取る宗像さん。同社には常にフレッシュな風が吹いている。
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