大分建設新聞

四方山

サル力と人間力

2024年04月22日
 政変劇が勃発した。永田町での話ではない。大分市の高崎山自然動物園のサルたちである。2023年11月からボス不在が続いていたB群で、22歳の雄の「オオムギ」が群れのトップに認定され、第20代ボスに就任した。オオムギは16年にC群のボスを務め、翌年にB群に移籍。二つの群れでトップになるのは、伝説のボス「ベンツ」以来の快挙という▼ボスと言っても、選挙で選ばれるはずもなく、ピーナッツテストと呼ばれる方法で認定された。ボス不在後の序列1位で、メスとしては初めてトップに立ったことのある11歳の「ヤケイ」と、オオムギとの間にピーナッツが置かれ、どちらが手に取るかを競うというもの。5個中4個を獲得したオオムギが「女帝」の返り咲きを阻んだ▼人間の年齢にすればオオムギは60歳代の後半。移籍当初はいじめられるなど、苦難の日々を過ごした。立派な体格とは裏腹に、性格はおおらかで温厚。人間力ならぬ「サル力」でトップの座をつかんだ。大分合同新聞4月20日付ニュースサイトの広島から来た小学生兄弟の「長期政権を築いてもらいたい」というコメントが面白い▼岸田文雄首相も4月22日で、首相就任から932日を迎え、戦後誕生した35人の首相としては、橋本龍太郎元首相と並び歴代8位に躍り出た。9月の自民党総裁選を乗り越えれば、来年2月末には7位の岸信介氏も照準に入る。支持率は20%前後の超低空飛行というのに大したもの▼だが、その前に大きな関門が待ち受ける。28日投開票の衆院トリプル補欠選挙である。周知のように同党は二つの選挙区で候補者を立てられず不戦敗。取れるにしても、ピーナッツは島根一区のみ。最近まで一強と言われていたのがウソのようだ。岸田政権にとって難所。果たして人間力を乗り切れるかどうか…。(熊)
名鑑CDバナー
インボイス
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP