大分建設新聞

四方山

昭和100年

2024年04月30日
 4月29日は昭和の日だった。2007年、国民の休日に関する法律の一部改正で「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを目的に制定された。昭和といえば2026年、改元から100周年を迎える。国を挙げての記念式典開催を目指す議員連盟が発足し、式典実施の閣議決定を働き掛けるという▼来年は1970年の大阪万博から55年、2025年の再開催が危ぶまれている中「昭和100年問題」という「2000年問題」と同様のコンピュータシステムの誤作動が起こる可能性が懸念される▼昭和の終わりは1989年1月7日の昭和天皇崩御に重なる。報道機関は連日、瀕死の天皇の血圧、脈拍数などを伝え、町のネオンやバラエティ番組が消え、自粛ムードが街を覆う中で、昭和が終わった。翌8日は「平成」改元の発表▼当時の日本経済を振り返ると87年以降、不動産など資産価格が高騰し、個人消費の拡大に代表されるバブル経済に突入。その後、首都圏を中心に下落が始まっていた地価は91年末ごろから全国に波及。自己資本比率低下に苦しむ金融機関は、いわゆる貸し渋りに動いた。企業リストラが始まり倒産は過去最多のペースで推移、それが金融機関の不良債権を増大させるという悪循環に。バブル経済の崩壊は91年から始まり、その後の日本経済は長期にわたり低迷状態に陥った▼有名人の死に際して「昭和が遠くなった」という声を耳にする。時代の象徴を失ったからだろう。しかし筆者に言わせると、昭和は大衆酒場や大衆食堂などにしぶとく生き残っている。昭和の建築物、乗り物、食べ物…今のうちに本物を感じておいたほうがいい▼ちなみに大正100年を祝う式典は行われていない。平成100年、令和100年に日本人はどう感じるだろうか。(コデ)
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