大分建設新聞

インタビュー

谷川広人さん(谷川組社長)、独特の画法で受賞数々

2009年01月10日
 佐伯市東町の総合建設業(株)谷川組社長の谷川広人さん(54)は、忙しい経営の傍ら、自分のアトリエで絵筆をとり創作活動に励んでいる。  谷川さんは、子供のころから絵が好きで、独学で絵を勉強。県美展などで入賞を重ねた。漁船の大漁旗を超現実的に描いた作品が、昭和54年の県美術展(秋)の県知事賞と15周年記念賞に輝いた。翌年、県美術協会員になったが、家業が忙しくなりやむなく絵筆を置いた。  平成9年のある日、アトリエの隅でほこりにまみれていたパレットが気になり、封印していた絵への情熱がじわじわと心の奥底からわいてきて、その場から動けなくなった。「このまま絵を描かなくて後悔しないのか?」と問いかける自分自身にうそはつけず、再び絵筆をにぎることに。  まずは佐伯の風景から描き始め、その年に「光景in佐伯」というタイトルで個展をし、12年には全国公募の別府現代絵画展に3年連続で入選し、大分けんしん美術展では同年から6年連続で入賞した。14年には大分市のアートプラザで個展を開き、翌年には俊英作家の顕彰などを目的に福岡市で開かれた「英展」に招待出品した。一昨年、別府市であったアジアビエンナーレでは、アジア各地から集まった約900点の作品の中から選ばれた70点の入選作品に入るなど、数々のコンクールや個展でその作品の良さが評価されている。  谷川さんの作品の特長は、鉛や石こうなどの下地に、色鉛筆、黒鉛、インクを主として描き、時には金箔を貼ったりする独特の手法。額縁は意図的に鉄をさびさせる技法を使うユニークなもの。「ほら歌にもあるでしょう。ナンバーワンになれなくても、オンリーワンですよ」と谷川さんは笑い飛ばす。昨年12月初めに、大分市の県立芸術会館で開かれた「新潮流展08」(新潮流とは、新しい絵画表現に意欲を燃やす県内在住の作家たちが結成しているグループ団体のこと)の展覧会評でも、菅章大分市美術館美術振興課長が「鉛の下地に色鉛筆で描かれた強烈なイメージとマチエールは眼球の奥にまで侵入しそうだ」と同4日付けの大分合同新聞夕刊で絶賛している。  この1月末までの予定で、佐伯市大手前の「お茶の首藤園」内のギャラリー「茶の葉」で個展を開いている。エロチックな裸婦像など4号から50号の作品9点を展示している。




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