大分建設新聞

インタビュー

野々下進さん(CALS工房)、電子納品の“請負人”

2009年04月10日
 今年から県でもいよいよ電子納品が試行される。電子納品の決まりごとは複雑で、専用のコンピュータソフトは高価だ。困ったときに「外注する」のもひとつの方法だ。個人事務所でありながら国交省の電子納品の経験が豊富なCALS工房(大分市大在)を主宰する野々下進さんに話を聞いた。  野々下さんはかつて建設会社に勤務し、現場代理人も務めた。一級土木施工管理技士の資格も持つ。佐伯河川国道事務所が他の事務所に先駆けて電子納品をスタートした際に工事を担当。その面白さに触れ、独立して電子納品のデータ制作を請け負うようになった。  公共工事は減少しているが、野々下さんの仕事は増えているという。中九州横断道路や東九州自動車道などの大型工事が増えているからだ。また、県外から「CALS屋」が営業に来るケースもあるが、現場のことを知らない会社もあるという。特に道路工事完成平面図や道路施設基本データが必要になってからは、単なる「CALS屋」では対応できない。現場経験が豊富で電子納品を知る野々下さんのような人でないと対応できないのだ。  野々下さんの武器は現場力だけではない。依頼人である現場代理人の〝かゆいところに手が届く〟現場密着のサポートで信頼を得ている。書類制作・提出手順のアドバイスや検査証票の不足の指摘など、現場の組み立てや作業内容の中身を知りつくしているからできるのだ。  さらに力強い相棒もいる。いとこでデザイナーの迫村香月さんだ。迫村さんはパース(完成予想図)も描く。東九州道の完成予想図(鳥瞰図)を見せてもらったが、素晴らしい出来栄えだ。とても平面図と立面図と現場視察だけで描いたものとは思えない。  生気みなぎる事務所から、信頼の仕事が生まれる。


野々下さん(左)とデザイナーの迫村さん

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