大分建設新聞

インタビュー

兒玉澄人さん(高建社長)、魅力ある介護施設づくり

2009年06月29日
 国道502号沿い、臼杵石仏の入り口近くに建設中の有料老人ホームの仕掛け人は、地元の建設業、(有)高建(臼杵市武山)の兒玉澄人社長。寡黙で、誠実で、あきらめない人柄が、多くの人を巻き込みながら、地域に魅力的な施設をつくり出そうとしている。  兒玉社長は、近所の空き店舗を見て『地域がさびれていくようだ』と感じた。なんとかしなければと考えるうち、「高齢者が増えている地域にふさわしいのは老人介護施設では」と思い、さっそく知人の紹介で、同じ地区で老人介護を手がける介護相談センター「明日風(あすか)」(同市掻懐)を知った。  明日風の佐藤日出子さんは、自分の生まれ育った地区に介護施設がないことに不安を感じていた。そう遠くない将来、自分自身が老いることを考えても、地区内に介護施設を造りたいという思いを強くした。そんなとき、兒玉社長が介護施設の設計図を携え、やってきた。  兒玉社長と佐藤さんは、地域への思いを語り合い、すぐに意気投合。新しい介護施設の建設に向け、計画を進めた。当初、利用する予定だった空き店舗は、計画に合わなくなり断念。兒玉社長が手頃な土地を見つけてきた。  土地の所有者は同市諏訪の足立孝行さん。設計図を手に何度も訪れ、老人介護施設の必要性を説く兒玉社長の情熱にほだされた足立さんは、定年退職して、第二の人生の過ごし方を模索していた。今は毎日、介護施設の建設現場に足を運び、お茶の差し入れや周辺部の手入れをしながら、兒玉社長らと同じ夢を追っている。  着工した今でも、前記3人に、明日風の工藤剛代表と足立さんの奥さんを加えた5人で、施設をよりよくするためのアイデアを出し合っている。「自宅でくつろいでいるような気分になれる部屋を提供したい」「施設の利用者におみやげを売ってもらえば、張り合いになるだろう」。兒玉社長は5人で考えたアイデアを、黙々と図面に書き加えている。  「近所の人たちが、介護を身近に感じてくれれば」という3人の夢が詰まった施設は、9月の完成を目指し、少しずつ姿を現している。


建設現場でアイデアを出し合う兒玉社長(左から2人目)ら

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