大分建設新聞

インタビュー

三ノ宮由貴さん(国東土木事務所)

2010年10月08日
 津波の動画を見て、少し暗くなった子どもたちの顔が、一瞬で明るくなった。国東土木事務所が姫島小学校で開いた「土木未来教室」での一コマだ。三ノ宮さんが作った「3匹のラッコ」という紙芝居を見たときだった。あわてん坊の長男、食いしん坊の次男、素直で落ち着いた末っ子の3兄弟が登場するが、子どもたちの笑いを誘う内容ながらも、避難時に大切なことをきちんと盛り込んである。  大分工業高等専門学校の土木科(現都市システム工学科)を卒業し、今年県職員になった。第一印象が〝ふんわりと可愛らしい女の子〟なだけに、どうして土木の道を選んだのかが気になる。「兄が高専の電気科を出ました。なので、高専にはなじみもありましたし、もともと環境問題や景観デザインというものに興味があったので、高専を目指しました」という。  決め手となったのは、同校の学校紹介で体験したパソコン上でのデザインだった。「街並みに街路樹を置くなどのシミュレーションがとても面白くて。景観デザインという考え方に触れたとき、楽しいと感じました。また、セメントでアンパンマンの供試体を作ってみたことも面白く感じました」という。可愛らしさとは裏腹に、〝何でも体験派〟のようだ。  子どもたちに津波の知識を授けた紙芝居「3匹のラッコ」は、仕事の合間に作ったという。ストーリーも、作画も、当日の語りも三ノ宮さんが全て担当した。手書きの絵をスキャナーで取り込み、PC上で着色し、スライドショーに仕上げた。森迫英樹港湾班副主幹も、「やわららかな絵柄や色づけなども、女性ならではの細やかな感性。男性職員だと、こうはならなかった。しかも、数日で仕上たんですよ」と満足そうだった。  これからの夢を聞くと、「今回の土木未来教室のような機会を通して、たくさんの人に土木の魅力や大切さをお伝えしていきたいですね」とのこと。第二の三ノ宮さんのような土木未来レディーの生みの親になって欲しいものだ。
 


 
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