大分建設新聞

インタビュー

鶴原信尚さん(谷川建設工業)

2010年10月21日
 佐伯河川国道事務所が発注した東九州道蒲江~県境間の波当津地区法面外工事の現場所長。「外」となっている延長200㍍、幅50㍍の盛土工も施工するので、現場はとても広い。マムシもサルも出る。隣接して2本のトンネル工事、別の盛土工の工事も行われており、3社・4現場が集中する。「早期開通への地元の期待が大きい現場だ」と、4現場で安全協議会をひんぱんに開き、円滑な工事推進に努めている。  鶴原さんは、「工事がスムーズに進んでいるのは佐伯河川国道事務所の村田茂男監督官の適切な助言と迅速な対応のおかげ」と感謝する。  安全への取り組みは徹底している。法面工にあたって長くて堅牢な作業道を設置して、作業員の安全を確保。設計にはなかったため大きな費用負担になったが「安全には代えられない。安全確保のための会社の姿勢を作業員に見せることも必要だ。サルも作業道を歩いている。ちゃんと作業道を使いなさい、と指導している」と言う。この作業道は労働基準監督署からも褒められたそうだ。  鶴原さんは、現場に道具が散乱していると「やかましく叱る」と言う。また、少し離れた現場事務所とは別に、作業場近くにカーペット敷きの広々とした休憩室を設けた。クーラーも設置し、冷蔵庫には飲料も用意している。夏場は熱中症予防に大いに役立った。休憩室は整然としている。何種類かのほうきも、整然と立て掛けてあった。  仕事の出来栄えにもこだわる。コンクリートの法枠は、夏場の現場製作だったが、ヒビひとつ入っていないのが大きな自慢。大分川ダム現場の河内橋の橋脚も、混和剤を工夫して無傷に仕上げ、大分川ダム事務所長表彰を受賞した。  新しい技術の導入にも積極的だ。この現場では、バックホウのマシンコントロール(無人運転)による切土と、GPSによる締固め管理の、2つの情報化施工を創意工夫で提案、導入した。情報化施工により安全性と現場の効率が飛躍的に向上したという。  36年間同社に勤め、60歳も近い。「5年でも10年でも、まだまだ現場の仕事を続けたい」と意欲満々だ。


新技術を導入し、仕事の出来栄えにもこだわる鶴原さん


猿も歩く作業道

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