大分建設新聞

インタビュー

尾方秀則さん(尾方設計社長)

2011年09月21日
 玖珠町帆足の(有)尾方設計社長の尾方秀則さんは、豊後森機関庫活用推進協議会事務局長を務め、近代化産業遺産に指定されている機関庫を観光資源としてまちおこしに活かす活動を続けている。さらにユニークな事業でまちおこしへの挑戦を始めた。新たに手がけた事業とは?。シジミの養殖だ。建設業界では、異業種参入で農業を始めた業者は少なくないが、尾方さんは、シジミでまちの活性化を目指す。  シジミといってもスーパーなどで売られている汽水域で獲れるヤマトシジミではなく、淡水に生息するマシジミ。尾方さん自身、子供の頃は時々近くの小川で獲れたシジミを家族とともに食べていたという。養殖を始めたきっかけは、尾方さん所有の休耕田を除草しているときに子供の頃遊んでいた小川が草むらから出てきたこと。小川でシジミを飼えないかと観賞魚などの繁殖に詳しい知人に相談し、宮崎県の専門家を訪ねて研究するなど試行錯誤を重ね、今年ついに繁殖に成功した。マシジミの人工繁殖は日本でも初めてという。  尾方さんは、「日本にはシジミ類は3種類いるが、マシジミは清流に生息し、微生物に対しても弱い。それだけに、〝マシジミがすむまち〟として、玖珠町の清いイメージをアピールでき、それがまちおこしにつながれば」と期待する。シジミ養殖そのものが産業として育つかどうかより、あくまでもまちおこしを優先する考えだ。  尾方さんが、地域貢献を重要視するようになったのは、昭和60年に地元で今の設計事務所を開設したとき。実績のなかった尾方さんが知名度を高めるには地域に溶け込むことが早道と考え、様々な地域の活動に積極的に参加した。  活動が実って、その後「カウベルランドくす」や「道の駅・童話の里くす」など多くの施設を設計するに至った。  地域貢献活動は今も休むことなく、最近では、協議会の活動費用捻出と機関庫アピールのためTシャツなど豊後森機関庫グッズの販売も始めた。次はどんな地域貢献活動をするのか。活躍を大いに期待したいものだ。




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