大分建設新聞

インタビュー

松田 大樹さん(松田庭園)

2012年01月24日
 昨年12月に、静岡市などで行われた、第49回技能五輪全国大会の造園の部で銀賞に輝いた(有)松田庭園(日出町)の松田大樹さん。造園の部は全国から出場した31人で競った。銀賞を受賞した率直な感想は、「うれしい。今回で4回目の出場でしたが、一昨年は敢闘賞、今回は銀。ランクアップできたことがうれしかったですね」。  時間との戦いだった。与えられた11時間内にすべてを仕上げなくてはならない。「まだまだ勉強が必要な植栽より、得意分野の石積みに時間を割いた。洋服を作るときにも、織地の色合いや柄を考えてカットするというでしょう。そんな感じで石と向き合うんです。石垣や石張りが好きなだけに、ここが自分の見せ場と信じて取り組みました」と、職人の顔をのぞかせる。  大会の約3ヵ月前には、課題の図面が公開される。その課題に沿って、休みの日に練習を続けた。他の出場者の作品の完成写真と見比べると、花壇の小端積みに味と趣きの深みがある。石の表情が生きていると感じた。  翌日の発表では、4等に当たる敢闘賞からスクリーンに名前が出る。せめて一昨年手にした敢闘賞より上であることを祈りながら、スクリーンを見つめた。敢闘賞、銅賞…ここに名前がなかったため、「一瞬ひやっとした」というが、銀賞に名前があった。  「今後は、積極的に植栽の勉強をしたい。遠近感、色彩感覚などですね」と笑った。社長である父、松田智さんは「得意分野をとことん活かして、この賞をいただいた。もっと上を目指して頑張って欲しい」と期待する。  ある美術館の庭園も造った。最近では宇佐市の古い屋敷の建替え工事にも携わった。古いかつら石や基礎石を掘り起こし、建替えた新しい家のアプローチに使用したりと、知恵と工夫の庭造りに強い。  日出暘谷高校を卒業し、庭の仕事をするようになって5年目。高校3年の時には、インターハイの自転車競技スクラッチ決勝で2位に入った。また、平成18年のJOCジュニアオリンピックカップでは優勝。職人としての負けん気、一つのものと向き合う力はここにあった。







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