大分建設新聞

インタビュー

幸康史さん(幸建設)

2012年01月30日
 別府市の(株)幸建設(幸勝美社長)が事務所3階に「OMソーラーの家」体感ルームをオープンした。「電気ちょこっと、これからの家」がコンセプトのその家がどんな家なのか気になったので企画を担当する幸康史さんに話を聞いた。  OMソーラーというのは?「静岡県の会社が開発したシステムで、太陽の熱を屋根で集熱して空気に乗せて床暖房や給湯に利用するものです。夏は夜の放射冷却を利用して夜間外気を取り込んで採涼します。数年前に社長がその技術を気に入って我が社で採用しました。Oは『おもしろい』、Mは『もったいない』という意味だそうです」と康史さん。  ソーラーシステムの家ですね?「体感ルームのメインはOMですが、壁や床などにも自然素材、環境素材を使用した環境型の家です。例えば、壁は消臭殺菌効果のあるシラス(火山灰)を原料とした薩摩中霧島壁ですし、床はトライウッド社(日田市)製の津江杉を使っています。輪掛け乾燥(低熱乾燥)させた木材なので、高温で強制的に乾燥させた一般のものより調湿機能に優れています。傷が入りにくいように『うづくり』加工も施しました。また、断熱はデコスドライ工法といって、リサイクルした紙を原料とした環境配慮型断熱材を使った工法を採用しています。ペースト状の素材なので隅部への充填も容易だし吸放湿性が高いので結露も防ぎます。あとは、床下の防蟻防腐材に特殊微粉末木炭をブレンドしたヘルスコ・キュアーという環境と人体にやさしい素材を使いました」と次から次とエコ技術が出てくる。工夫満載の家だ。  しかし、最近は太陽光発電の方が注目度が高いのでは?「展示はしていませんが、OMクアトロソーラーという太陽熱発電併用型も開発されているんです。その改良型の新製品が最近発売になりました」と消費者の全てのニーズに応える用意があるようだ。  ほかにも、独自の技術のミニキッチンや木質ペレットを燃料としたストーブなども展示しているとのこと。間違いなく一見の価値はありそうだ。  幸建設といえば、寺社建築などの伝統的技術を持つことで知られているが、康史さんという若い技術者が加わり、今後新技術の採用が増えそうだ。      【メモ】うづくり 表面を磨いて木目を際立たせることで板をきれいに見せる手法。強度を強くする効果もある。




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