大分建設新聞

インタビュー

永野 卓夫さん(安部組元工務部長)

2012年08月24日
 別府市の(株)安部組元工務部長の永野卓夫さんが、同市小倉の喫茶「アップル」で、香炉や花瓶など自作の陶芸品の作品展を開いている。8月末までの予定。  永野さんが陶芸を始めたのは、3年前に(株)安部組を定年退職してから。以前から興味はあったが、現役時代は仕事が忙しくてできなかったという。短期間で精巧な香炉を焼くまでになったのは、技術者ならではのこだわりと器用さのおかげだろう。  安部組では、砂防ダムを担当することが多く、別府市内の冷川、春木川など主要河川のほとんどのダム建設を手がけたという。「私が別府の川の氾濫を防いだといっても過言ではないでしょう」と冗談ぽく笑うが、その口調からは15年近く砂防に携わってきた自信がうかがえた。  「土木をやめても土をいじっているのだからよほど土が好きなんでしょうね」と笑う。すでに3年間で造りためた作品は100点を超える。いずれは自宅敷地に専用の窯を造る考えだ。作品を売ってビジネスに、という記者の問いかけに「売っても良いけど、本当は陶芸教室を開設して愛好家を育てたい夢があります」と技術者から芸術家への転向を夢見る。  「こうして夢を追い続けられるのも妻の理解あってこそ」と教師をしている奥様への感謝を忘れない。ただ、わがままを通しているようでいて実は家事全般を受け持つ専業主夫なのだそうだ。これでは奥様も文句のつけようがないだろう。多くは粗大ごみ扱いされる?定年後の男性にとっては、鏡のような人なのだ。  安部組社長で県建設業協会会長の安部正一さんとは高校の同級生で、それ以来の縁。安部さんも作品展初日に奥様と鑑賞に来てくれたそうだ。  高齢化が進む建設業界だが、永野さんのようにすばらしい第二の人生があれば余生が待ち遠しくなるのではなかろうか。  喫茶「アップル」は九州横断道路沿い、坊主地獄向いにある。 


別府市で作品展を開いている永野さん

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