大分建設新聞

インタビュー

佐々木 重信さん(大野川桜づつみ愛護会会長)

2013年04月26日
 大野川に架かる鶴崎橋下流の右岸、上志村地区の「大野川桜づつみ」では、平日にもかかわらず花見客が大勢いた(3月26日)。一番美しいタイミングを人々は見逃さない。  この、桜づつみを長年見守ってきたのが、大野川桜づつみ愛護会会長の佐々木重信さん(78)と、会員のみなさんだ。川を愛し、人々に川の良さを感じて欲しい。その思いで活動を続けてきた。  佐々木さんが川の愛護活動に目覚めたきっかけを問うと、「そもそも釣りが趣味。落としたメガネを探すため、孫の水中めがねで川の中をのぞいたことがありました。こんな水を市民は飲んでいるのか、とショックを受けて」という。  昭和61年。当時の建設省の「桜づつみモデル事業」に九州で初めて同地が選ばれ、鶴崎橋下流側約750㍍の堤防上に約200本の桜が植えられた。佐々木さんは、地区の人たちや知人などに声をかけ、平成9年に会を発足し、河川の清掃活動を始めた。  どんなボランティア活動も高齢化が進み、いかに継続するかが課題の時代。桜とは別に、堤防下の河川敷に「コスモスふれあい広場」を設け、今では有名になった秋のコスモス祭りを始めた。この祭りが、18年に大分市の地域まちづくり活性化事業の一つに位置付けられ、活動が加速した。  彼岸花や約20万本のコスモスの種まき、河川敷の除草作業には、地元小学校の児童約1000人や、各種団体など約200人が参加するまでになった。  つつみの数ヵ所には「大野川桜づつみモデル事業」の看板。「大分河川国道事務所の児玉幸三河川管理課長が、大野川出張所長だった頃にとてもお世話になった。この看板も建ててくれたし、ボランティア活動に行き詰まった頃に、いろいろな河川の見学にも連れて行ってもらった」。川を愛する同志が結びついた証だ。  桜づつみのこれからを聞くと、「河川敷に降りられる舗装道があるので、これを活かして、久留米の筑後川河川敷のように、軽いスポーツなどが楽しめるように、河川敷に車が入れるといいのに」と一言。春・秋のお花見シーズンだけではもったいない、というのが佐々木さんの思いだ。  今、大野川流域のボランティア団体をつなぐ「大野川流域ネットワーキング」が組織され、同愛護会も参加。大野川源流の碑の建立祭り、川の字にちなんだ11月1日の流域一斉清掃活動が続いている。  


大野川堤防のサクラ並木を守ってきた佐々木さん

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