大分建設新聞

インタビュー

中村 隼大さん(㈱サザンテック測量課技師)

2017年05月19日
 3Kや5Kなどと若い人が敬遠する建設業界。そして佐伯市では、都市部への若者の流出などで、毎年、人口減少が続く。そんな風潮に挑戦するかのように、同市の建設コンサルタント㈱サザンテックに、佐伯豊南高校工業技術科土木コースを今春卒業した一人の若者が入社した。
 小学校6年生の時、東日本大震災の惨状を報道で見たり聞いたりして、建設業の大切さを知った。
高校入学後、「進路選択のとき、測量士補などの資格を取って、地元で働いてみたいと思うようになっていました」。
2年生の夏、市内の建設業でインターンシップを体験。「やっぱり、コンサル会社に進みたい」と思い、2年生の終わりに測量士補資格を取得。
3年生になって進路を考えるうち、就職担当の教師に「地元に残りたい」とはっきりと伝えた。
 そうした中、サザンテックの児玉明裕専務は「佐伯から若い技術者がいなくなったら、業界が衰退する。インフラの補修や防災面からみて、業界も捨てたものではない」と思い、人手確保などについて、同校に相談すると「地元就職を希望する生徒がいる」と中村さんを紹介された。
会ってみると「兄が県外に出た。次男の僕が親の面倒をみないといけない。佐伯に残りたい」と言った。
児玉さんは「こんなしっかりした考えを持つ若者は、きっと業界の貴重な戦力になる。地元のためにも、やってくれるだろう」と考え、採用を決めたという。
 初めての仕事は、先輩について、県道梶寄浦佐伯線の測量現場で、落石箇所の復旧工事の測量と作図を勉強中。
「トランシットをのぞいたり、ポール持ちなどの補助作業でデータを取り、会社に戻って、座標計算の数値入力などの作業をしています。学校で習っていない、ドローンを飛ばして作った3D図面を見て、本当にびっくりしました」と話す。
 将来は、このままコンサルに残るか、在学中に取得した2級土木施工管理技士(学科のみ)を活かして施工管理に進むか、まだ決めていないと言う。
「どちらにしろ、生活のため、まずは測量をしっかり身に付けたい」が身近な目標。
 高校野球の経験があり、入社と同時に市内の軟式野球B級リーグ所属チームに入り、草野球で汗を流す。仕事に余暇に一生懸命頑張る若者を応援したくなった。



児玉専務の指導を受ける中村さん(右)
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