大分建設新聞

インタビュー

二宮 愛莉さん(三浦国土建設㈱工事部)

2018年01月09日
 県内の建設業就業者は、この20年間で約4割も減っており、新たな担い手の確保が喫緊の課題だ。
そんな中「女性技術者の活躍の場を広げてほしい」という、女性サイドからの声が高まっている。
しかし、企業側の準備不足などもあり、思うように進んでいないのが現状のようだ。
28年度から、女性技術者採用を始めている三浦国土建設㈱(大分市、三浦宏之社長)の二宮愛莉さん(28年4月採用、24歳)に、入社に至った経緯や現在の状況を聞いた。
 二宮さんは、大分工業高校土木科を卒業、日本文理大学工学部建築学科に進学した。
高校や大学在学中に、授業で大分川ダムやトンネルの工事現場を見学。現場で働く技術者の姿を見て「かっこいい。できるなら私も工事に携わりたい」と夢を膨らませるようになった。
 高校在学中に、測量士補の資格と2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格。
現在は、4歳になる娘さんを育てながら共働き。
春には第2子が誕生する予定で、1年間の産休を経て復帰を目指すパワフルな女性だ。
 大学での就職活動中に、建設会社の面接を数社受けたが、女性技術者の雇用を前向きに考えている会社には出会わなかった。
そこで、大学の進路指導担当に「土木の女性技術者を募集している会社を紹介してほしい」と依頼。
ちょうど、女性技術者を探している同社とマッチングした。
 面接では、子どもがいることや現場で働きたいことなどを話した。
三浦社長から「構わない、頑張ってほしい」と言われたときは、本当にうれしかったという。
採用に当たって、同社は女性用の更衣室とロッカーを準備。
二宮さんは会社の近くに家を借り、保育園の入園準備を始めた。
 入社1年目は、現場代理人の助手として、下水や雨水のボックスカルバート設置工など。
2年目は品質管理の仕事をしながら、手が空いた時に測量の手伝いや書類作成、写真データの整理などをしている。
同社は、通常午前7時15分出社、月に2回は7時出社で、この時は子どもと一緒にラジオ体操をしてから保育園に向かうなど、社員一丸となって二宮さんを応援している。
 今後、女性技術者を「戦力」にと考えている会社があるならば、長く働いてもらえる体制づくりと、〝育てよう”という気持ちで取り組んでもらうことを、切に望みたい。



子どもを育てながら働く二宮さん
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