大分建設新聞

インタビュー

森 法子さん(豊國建設㈱課長)

2018年10月05日
 ADY(アディー)事業部課長の森法子さんは、将来を見据えて会社が新しく導入した、3次元ソフト「BIM」(ビム)の技術習得に取り組んでいる。
設計図の作成は、手描きからCADへと変わり、さらにコンピューター上に現実と同じ建物の立体モデルを具現化する、BIMへと変りつつあるという。
 勤続20年になる森さんは、同社の女性設計技術者第1号として、後に続く女性技術者らの目標となっている。
 官庁関係の仕事が中心だった同社が、森さんの入社後、民間事業にも力を入れようと、設計・営業・積算業務を合わせたADY事業部を新設。
賃貸マンションや有料老人ホーム、量販店などの立案から設計、施工までの体制を整えた。
 初仕事は、同社の池邉福一初代社長邸の新築工事。
「居間から周囲の田んぼや山などの風景が見えるように」との要望に応えるため、何度も設計をやり直した。「満足してもらえたときは、うれしかった」と振り返る。
 設計が好きで、結婚しても続けたいと考えていた森さん。
「結婚の報告をするときが一番勇気がいった」という。当時は結婚とともに仕事を辞める〝寿退社〟が一般的。同社では、女性社員が結婚後も仕事を続けるという前例がなく、また、妊娠したときは、産休の取得制度など、会社が調べて適用してくれたという。
 中学校の美術の先生から、デザインや色彩感覚を褒められたことをきっかけに、デザインの勉強ができる大分工業高校に進学した。
高校の恩師から「本だけではなく、空間体験もした方がいい」とのアドバイスで、勉強のために国内外の建築物を見に出かけた。
なかでも北九州市立美術館(磯崎新さん設計)や、アメリカ・ペンシルバニア州の落水荘(故フランク・ロイド・ライト設計)を見学したときは、「建物から訴えてくるものを感じ、思わず立ちすくんでしまった」と話す。
 森さんは、施主の要望に応えるのは当然のこととし、土地の形状や高低差、自然環境などを考慮した設計を心掛け、さらに〝遊び心〟を1つでも取り入れるように工夫しているという。
「こんなことも考えてくれたんだ。豊國建設さんに頼んでよかったと喜んでもらえた時は最高」と話す。
「難しい条件をどう解決するかを考えるのが設計の醍醐味」と話してくれた。



施主の要望に応えた上で、遊び心も取り入れたいと話す森さん
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