大分建設新聞

インタビュー

佐々木 美沙さん(㈱献崇開発)

2019年07月19日
 大分川ダム沿いに建設中の道の駅「のつはる」。この現場で駐車場整備に従事している女性がいる。
工事を請け負う㈱献崇開発の佐々木美沙さんだ。
 県立鶴崎工業高校建築科を2015年に卒業、不動産会社で事務員として約1年間務め、違う分野で仕事をした後、17年9月に同社へ入社した。
入社の動機は、自宅近くで道路改良工事をしていた「献崇開発」の社名が印象に残り、同社が募集していた事務職へ応募したという。
 面接をした朝倉崇司専務が、佐々木さんの経歴を見て「せっかく高校時代に建築・測量などを勉強しているんだったら、事務ではなく現場でやってみたらどうか」と声をかけ、佐々木さんの新たな挑戦がスタートした。
 入社2年弱で、トンネル補修、下水、橋梁補修などの工事と、この「道の駅」の4現場を経験している。
今は、先輩男性2人の指導の元で作業をしており、品質の管理、測量、工事書類の作成などに携わっている。
「書類の作成は思っていた以上に大変きつい。でも仕事は楽しい」と、はにかみながら話す。
 朝倉専務は「入社当初は、女性なので仕事の内容、休日や就業時間に気を使っていたが、『早く帰れ』と言っても仕事が終わらないと帰らない根性を持っていることに気付いた。それならば、会社自体の働き方改革が必要だと感じ、社員と一丸になり、全員が働きやすい環境と職場づくりに努めている。社員の意見も積極的に取り入れている」という。
 佐々木さんが指導係の先輩を巻き込んで始めた現場環境の見直しと美化活動もその一つ。
現場事務所とトイレの清掃、フラワーポットの設置など女性ならではのきめ細かな環境作りに精を出した。
花を通じて、近所のお年寄りたちとの交流もでき、現場の空気が変わった。
 「今は補助(の立場)なので、ゆくゆくは資格を取り、『この人とは同等に仕事ができる』と安心感を持ってもらえる、信頼される現場監督になりたい」と、夢を語る。
一度、建設業を離れたからこそ気付いた業界の魅力。新たな道を見つけた佐々木さんは、技術者への道を一歩一歩着実に歩んでいる。



「早く任せてもらえるようになりたい」と話す佐々木さん
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