大分建設新聞

インタビュー

芦刈 千絵さん(㈱風戸工務店土木部主任)

2019年08月27日
 国土交通省は2014年8月、全国建設業協会などと共同で策定した「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を受け、官民一体となってさまざまな取り組みを行っている。
今回紹介するのは、一般土木の現場監督と女の子2人の子育てに頑張るママさん監督。女性技術者登用の走りともいえるだろう。
 佐伯豊南高校から短大に進み、卒業後福岡で一般企業の営業を3年ほど経験したが、思うところがあり佐伯に戻った。
次の就職に備え、事務職では必須のエクセルやワードなどを習得するため佐伯高等技術専門校の情報ビジネス科に入校。
ところが、入校後しばらくして、現在の会社が事務員を募集していることを知り、応募した結果、運よく採用された。
それから、工務課で事務員としてパソコンを使い、技術者からのさまざまな要求に応じた資料作成を10年ほど経験。
 ママさん女性技術者への道に入るきっかけは、次女の育休明けに、風戸彰社長から「これから建設業界でも女性が活躍できる場を作ろうとしている。2級土木施工管理技士の資格を取って、現場監督として頑張ってみないか」とアドバイスを受けた時から。
その次女もすでに幼稚園年中組まで成長した。
 仕事の一番の魅力は、「ものを造って、それが形に残ること」。
今は一日でも早く、1級土木施工管理技士の資格を取りたい、と明確な目標を持っている。
工事期間中はどうしても通行する方々に迷惑をかけるが、完成した後、皆さんから「便利になった」と言ってもらえるのが嬉しいそうだ、
 上司の広瀬周之課長は「国交省発注の池船地区スポーツ公園階段の工事では、風化した木製ベンチに代わり、無機質なコンクリートを赤で着色して、仕上がりを華やかにしてくれた。また、書類にミスが少なく、仕事全般を通じて、きめ細やかな女性らしさを十二分に発揮してくれ、大変助かっている」と評価する。
 子どもに「ママ、かっこいい!」と言われたことがあり、「家族の協力なしではできないですね」と話す。
「子どもの頃、20年後にこの仕事をするとは思っていなかった。自分の夢を一つの道として貫いていくのも良いですし、私のように事務仕事から現場に出て、仕事をするように変わっていくこともある。それぞれの可能性はゼロではないので、目標に向かって頑張って欲しい。女性だからこそ、活躍できる場もあると思います!」と、あとに続く若い女性たちにエールを送ってくれた。



土木工事の現場監督として頑張る芦刈さん
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