大分建設新聞

インタビュー

首藤 龍義さん(県立工科短期大学校)

2020年03月18日
 県立工科短期大学校の卒業研究で、RTK基準局を校内に設置した首藤龍義さんに、今回の研究テーマの意図、目的などについて聞いた。
 首藤さんは「大分県内の企業に内定をいただいたこともあり、卒業研究のテーマは、地元に貢献できるようなものが良いと思っていた」という。
 そこで、中津市近郊に誰でも自由に使用することのできるRTKによる高精度測位を実現するための基準局を設置し、農業分野などで活用促進の一助となることを目的とした研究を「難しいかもしれないがやってみないか」と指導教員から声をかけられたことが、今回の卒研に取り組むきっかけに。
 「地域の農業に役立てればと考えて立候補した」と首藤さん。
卒研で一番苦労したのは、衛星測位の知識が全くなかったことで、衛星測位の仕組みを理解することから始めた。
分からない単語が出るたびに諦めずに一個ずつ調べ、ようやく基準局の設置までこぎつけた。大変だったが、一から新しいモノを作る難しさと同時に、モノづくりの喜びも感じたという。
 仕組みとしては、一般的なスマートフォンやカーナビゲーションシステムに搭載されている、GPSによる測位方式が単独測位に分類されるのに対し、RTK方式は干渉測位(相対測位)と呼ばれる仕組みを使用している。
 基準局からおおよそ20㌔圏内(半径10㌔)に基準局が一つでもあれば、数㍉から数㌢精度の測位が可能になる。
このことから、今回設置した基準局を利用することで農業用GPSガイダンスシステムや無人トラクターの自動運転などが実用化される可能性も出てきた。
これまで熟練者にしかできなかった作業が、初心者でもできるようになるなど、農作業をする人への負担軽減はもちろん、効率面でも農業の在り方を画期的に変えるシステムになると、期待されている。



基準局を設置した首藤さん


干渉測位の仕組み
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