大分建設新聞

インタビュー

県立工科短期大学校の3人

2020年03月24日
 県立工科短期大学校(中津市)建築システム系施工管理エンジニアコース2年生の今長栄喜さん、辻田恭志朗さん、矢野光さんの3人は、卒業研究のテーマとして「アウトドアリビングの設計と制作」を取り上げ、学校内の老朽化した「あずまや」の建て替えに取り組み、伝統的な木造在来工法で新しい「休憩所」を完成させた。
 同校の実学一体の教育内容を来校者に伝えるパビリオンとするため、石田知史准教授が制作を提案したテーマで、通常、屋外休憩施設のことを四阿と呼ぶのが一般的だが、これまでのものよりデザイン性を高め、オブジェのような外観にした。
写真スポットとしても活用でき、勉強や昼食などの外部でのくつろぎの場とするために「アウトドアリビング」と名付けた。
 また、同校の中庭(センタープラザ)の周囲を取り囲む33枚のミラーガラスは、リビングの入口に立つと全面すべてに姿が同時に写り込む仕掛けが施されており、これを利用した「平面計画」も取り込んでいる。
 外観は、木のブロックを一定の大きさ100㍉角×400㍉の長さに加工し、ダボとボルトで組み合わせてデザインした。
ほかに水平に対する荷重を支える格子のパネルや3Dプリンターを活用した円柱型縦桟など、多様な技術を活用している。
 「伝統的な木造在来工法を採用し、手刻みで加工を行ったところ、さまざまなアイデアを駆使しデザインを工夫したところに苦労した」という。
 今回の卒業研究では、自ら企画・設計を行い、木造軸組工法で制作することにより、これまでに学んだ建築の知識と技能を総括した。
また、社会人に必要な報・連・相や5S活動を行い、ヒューマンスキルの向上も目指した。
 「今回制作したアウトドアリビングは、注目を浴びるようなデザインにしたので、訪れた人々を注目させ、オープンキャンパスなどのイベントでは、高校生などに同校の教育内容をアピールすることが出来る」という。
 なお、卒業後の進路は、辻田さんは県内の建設会社に内定し、今長さんは北九州市、矢野さんは宮崎市の企業に内定している。
 【卒業研究概要】
▽テーマ「アウトドアリビングの設計と制作」
▽指導教官名:建築システム系准教授 石田知史
▽構造:木造軸組在来工法平屋
▽面積:7・46平方㍍(2・25坪)
▽工期:11月上旬~2月下旬(約200時間)



左より、石田准教授、矢野さん、辻田さん、今長さん
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