大分建設新聞

インタビュー

佐藤美鳩さん(㈱サザンテック)

2020年11月12日
将来は耐震などの設計を
 測量から地質調査、設計のトータルコンサルティングを業務とし、佐伯市に本社を構えて、大分県内全域で実績を重ねている㈱サザンテック(佐伯市、児玉明裕代表取締役社長)。そこに今年の春入社したニューフェイスをインタビューした。
 4月に入社した佐藤美鳩さんは、大分高専の土木工学科で学び、卒業研究は地盤系だったが、就職の時には構造設計を選び、教授の勧めでサザンテックを受験した。入社試験の面接でも「設計に興味を持っている」と明確に告げたと言う。
 その思いを受けた児玉社長は、「設計の中でも構造設計を担当し、ゆくゆくは耐震や補修の仕事に携われるようになってほしいと思った」と入社時を振り返った。
 入社して半年、ベテラン技術者の下でアシスタントとして、構造物自体の重量による耐久、土圧で沈下しないコンクリート構造物の強化のために入れる鉄筋の量などの構造計算に携わっている。実際に担当した暗渠(ボックスカルバート)の図面を広げて実例で説明してくれた。
 その姿は一人前に見えたが、「まだ専門用語の2割ほどしか理解できていない」と、実は歩き出したばかりの本音を話してくれた。しかし、だんだん慣れてきて仕事の流れがつかめるようになり、「業務の中で自分の現在地が分かるようになって、仕事の楽しさを感じられるようになった」と頼もしい言葉を述べ、「もっともっとベテラン技術者から教えをいただきたい」と前向きな姿勢を見せる。
 順調に前に進む佐藤さんだが、入社当初は、学生時代よりも現場に出る機会が少なく「オフィスにいる時間が長いことに戸惑った」と振り返る。
 そんな佐藤さんに「3年、遅くとも5年で一人立ちしてくれれば」と、児玉社長は期待を寄せている。
 さらに話を聞いていると、勤務は月曜から水曜の3日間で、木曜から土曜はボランティア活動に取り組んでいるとのこと。それは建築のボランティア活動で、「世界中の建物の維持管理などに取り組むもので、就職してから始めたわけではなく、家庭の信条に基づくもので、すでに長い間継続しているものだ」と言う。
 このライフワークを継続しながらできる就業での就職を目指していたが、サザンテックは働き方改革に取り組んでいたので、奇跡的なマッチングが実現した形だ。佐藤さんは、この出会いに「心から感謝している」と素直に現状の幸せを喜び、児玉社長は、「佐藤さんがモデルケースになれば」と寛大かつ先進的な考えを述べた。
 佐藤さんは、学生時代にわりと大きなパン屋でアルバイトをしたが、「仕事に就いてみて、パン屋で接客するよりも、一人で集中して設計を行う仕事の方が自分に合っていると思う」と、現在の心境を分析し、ますます将来への期待を膨らませた。
 
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