大分建設新聞

インタビュー

薬師寺 あゆみさん(協和産業㈱)

2021年04月15日
 協和産業㈱(津久見市、伊東忠文代表取締役社長)で大型ダンプを運転する薬師寺あゆみさん。社員の中で紅一点のドライバーだ。運輸業、建設業を営む世界に飛び込んだ薬師寺さんに話を聞いた。
 薬師寺さんが、同社でダンプのハンドルを握り始めたのはちょうど1年前。以前から「運転が好きで、協和産業の敷地に並んでいるダンプがカッコよくて、乗りたいと憧れていた」と入社以前からのダンプへの思いを振り返る。
 当時、体調を壊して転職するにあたり、県の支援事業を利用して大型免許を取得した。「実習をする時に、その実習先の一つに協和産業の名前があったので、悩むことなく、そこでの実習を選択した」と薬師寺さんにとって幸せな偶然が起きたことを嬉しそうに話す。
 薬師寺さんは、津久見のセメント鉱山の岩や石、土を運ぶ仕事をしているが「初めて鉱山に入って石の道を走り、周囲に広がる全面灰色で月面のような非日常的な景色に感動した」と語る。津久見に生まれ育ちながら鉱山の中はどうなっているのだろうと思い続けていたそうだ。「幼い頃から未知の世界だった鉱山に入れたことも思わぬ展開だった」と偶然が重なるように夢が叶った。
 ダンプの運転ルートにトイレが無いという悩みはあるが「職場の人たちはとても優しくて、よく助けていただいている。建設会社もダンプの運転手という仕事も、想像とはまったく違う働きやすい環境だった。休暇も取得しやすく、今までに働いた職場で一番。このままずっと働きたい」と改めて転職したことに幸せを感じている。
 「あっという間の1年だった」と、幸せな時間を振り返りながら「次の目標は、重機の免許をたくさん取得して乗ること」と抱負を語る。さらに「津久見で起きた水害の時に、建設業の方々が活躍する姿を見て感動した。その経験から、有事の際には自分も役に立ちたい」と将来の夢を付け加えた。
 大好きな津久見で働いているのでストレスはないというが、それでも「嫌なことがあったときは、トランペットを吹くと気持ちがいい」。薬師寺さんは、楽団「SORIN BRASS」を主宰しており「お年寄りが好きで、高齢者施設などで昭和歌謡を演奏すると喜んでくれるので嬉しい」と、もうひとりの自分を話す。地元の役に立ちたいという気持ちから、津久見市文化協会の事務局長も務めている。楽団の名刺に描かれているイラストは、自身が独学で学んだ多彩な内容に満ちている。「大相撲」も大好きという。
 「物事には二面性があるけど、良い面を考えるようにしている。人生の終わりには楽しかったと思いたい」と話を結んだ。

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