大分建設新聞

インタビュー

吉廣 昌子さん(㈱ラックワイド)

2022年03月24日
 1月にあった県建設産業女性活躍推進事業「BLOCKS」の成果発表会で、スキルアップセミナーの受講生代表の一人として登壇した。BLOCKSに参加してから多くの女性技術者と出会い、いろいろな悩みを抱えているのは「自分だけではなかった」と感じたそうだ。
 長く美容業界に在籍していた。業界を辞めた後、アルバイトとして交通誘導員に。現場では、アルバイトの自分にまで分け隔てなく接してくる技術者の姿を見て、ワンチームで「ものづくり」をする姿に感動したという。その現場で社長と出会って結婚し、本格的に建設業の道へと進んだ。
 最初は建設業に悪いイメージを持っていた。しかし、働くうちにイメージが変わった。「やはり、携わった道路などが完成した時の達成感はほかの業種では味わえない。建設業界は美容業界より断然面白い」と笑う。
 建設業に入りたての頃は、女性が働ける環境ではなかった。トイレを使うのも躊躇し、何度か膀胱炎も経験。女性技術者が増えてくると、現場環境も大きく改善した。「女性技術者がいると、現場の雰囲気はもちろんのこと、地元の住民とも良い関係を築ける。そして、女性が輝いて仕事をする現場は、往々にして工事品質も素晴らしい」と、女性が働くことはメリットが多いという。
 人手不足の中、建設業の本当の楽しさを知らないまま辞めていく若い人が多いことを危惧する。「楽しみを見つけるまで会社として育てていくことも必要。また、一緒に苦労を分かち合える仲間もいた方が良い。だから、BLOCKSの取り組みは成果が出ている。私もBLOCKSに参加しませんかと声を掛けている」と、これからもどんどん仲間を増やしていく。
 現場での作業のほか、経理、資機材の手配など、あらゆる仕事をこなす。もっと現場に関わりたいと、55歳の時に2級土木施工管理技士の資格も取得した。「現場の安全や施工管理こそ、女性が絶対必要。大きい会社は、どんどん環境が改善され、働きやすくなった。しかし、小さい会社のレベルが上がらなければ、全体の底上げにはつながらない。私が住む由布市でも、女性の活躍の場を広げていきたい」と、やる気満々だ。
 夢は、お孫さんが仕事を継いでくれること。「それまでに、もっと働きやすい、そして夢や希望が溢れる業界にしていきたい」と話した。

 
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