大分建設新聞

四方山

底辺とはどういうことか!

2022年07月04日
 新卒向け就職情報サイトが公開した「底辺の仕事ランキング」に批判が出ている。なんと、上位から①土木・建設作業員②警備スタッフ③工場作業員④倉庫作業員⑤コンビニ店員⑥清掃スタッフ⑦トラック運転手⑧ゴミ収集スタッフ⑨飲食店スタッフ⑩介護士⑪保育士⑫コールセンタースタッフ―という順番だ▼いくら自由主義の競争社会だと言っても、肉体労働、誰でもできる、同じことの繰り返しが多いというマイナス要素に加えて、低い平均年収、結婚に苦労、体力の消耗まで付け加えている。これはもう明らかに特定の職業を蔑んでおり見下した表現で、そこで働く方々の人格を否定し馬鹿にしている▼社会にとって必要な仕事だとか必須の職業だとかフォローはしているが、そもそも底辺という言葉を使うとはどういうことか。運営会社は記事を削除したというが、それで済む問題ではない。この就職情報サイトには行政処分を求めたい。現代では通販でものを買うにも工場で作ったスマホを使い、土木・建設作業員が汗を流して造った道路や橋を通るトラックに届けてもらっている。これらの仕事に従事する方々にお世話にならなければ生活できないではないか▼蔑まれた業界としては、こういう事実があることを前提に、いかに真実を広報し伝えるかにエネルギーを注ぐことが重要だ。インターネットを見て問い合わせてくる人よりも、企業説明会に実際に足を運んでくれた人を大切にしたい▼企業が説明会に参加するには人も時間も割かなければならないが、それは自社の現場の生の声を正しい情報として伝えたいからだ。説明会では仕事を求めている人の希望を正確に知ることができるし、大切な人材をこの目で見極めることができる。人材は人財とも言う資産だ。投資は人まかせにしてはいけない。(リュウ)
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