大分建設新聞

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交流館2棟、寄付 一条工務店へ感謝状〈由布市〉無料

工事・計画大分地区
2023年03月29日
 由布市役所本庁舎の駐車場に「庄内モバイル交流館」が完成し、24日に完成披露会が開かれた。㈱一条工務店(東京都)が企業版ふるさと納税制度を使用、寄付した建物で、防災を目的としたモバイル建築の導入は九州初。今後は移住・交流、防災などの活動拠点として活用する。
 完成した庄内モバイル交流館は庁舎の駐車場内一角に設置されたもので、W造2階建て延べ285・54平方㍍。幅2・5㍍、長さ12㍍、高さ2・8㍍の木造ユニットを1階部分で5ユニット、2階部分に5ユニットの計10ユニット使用して設置された。解体して運搬、移築ができるモバイル建築は、災害時に仮設住宅や応急医療施設として活用することができ、バリアフリー仕様にすることで高齢者の受け入れなども可能となる。
 一条工務店は、同市挾間庁舎横にも、学校の放課後に児童クラブルームとして活用中の子育て支援施設「挾間モバイル交流館」(W造平屋142・77平方㍍、5ユニット使用)と、今回の庄内モバイル交流館の2棟を企業版ふるさと納税制度を使用して寄付した。
 同社は全国の市町と有事の際の協定を積極的に進めており、2棟のモバイル建築は▽約3カ月という短い工期で完成すること▽災害時の職人不足を設計施工のノウハウでカバーできること▽一般住宅と同じ基準の耐震・断熱・気密性を備えていること―ができる事例の先駆けとなっている。
 完成披露会では、相馬尊重市長が「立派な建物を寄付いただき感謝。今後発生が予想される災害に備え、平常時は職員の災害対応研修や避難所の運営訓練などに活用していく」とあいさつ。その後、一条工務店大分営業所の小俣良哉所長へ感謝状が贈られた。これを受け、小俣所長が「災害時の備えとしての役割はもちろん、地方創生の要となる施設として活用してもらえるよう期待している」と謝辞を述べた。続けて日本モバイル建築協会の木ノ下勝矢理事などが祝辞を述べたほか、同協会の取り組みについて長坂俊成代表理事がオンラインで講話した。
 市は今後、平常時は挾間モバイル交流館については引き続き子育て支援の児童放課後クラブとして、庄内モバイル交流館については1階東側をユフイズム(地元生産者の会)の会合・交流施設として、西側を移住支援などの関係窓口として、2階を防災拠点施設、訓練施設として活用していく予定。
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