大分建設新聞

四方山

閉店と自壊

2024年02月06日
 城下町の風情をいまに伝える竹田市。市観光ツーリズム協会が運営するサイト「たけ旅」で、観光スポットの一つとして紹介されていたサンドイッチの店「今勢屋」が1月いっぱいで店を閉じた。1890年にせんべい屋として創業、業態を変えながら、今から41年前に手作りサンドイッチの店に▼具材たっぷりのサンドイッチは評判を呼んだ。中でも新鮮な果物をたっぷり使ったフルーツサンドは人気商品となり、観光客にも知られる店になった。愛された店だったのだろう。OBSテレビは最終日の1日を追うニュース番組を放映したほど。女性店主に向けて客の間から自然と巻き起こった拍手のシーンには、思わず胸が熱くなった。惜しまれた中での閉店だった▼それに引き換え…と思ってしまうのが、今勢屋の閉店翌日、東京・永田町で開かれた自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)の最後の総会だった。政治資金パーティーを巡る裏金事件を引き起こし自壊して果てた。総会では拍手の代わりに飛び交ったのは、裏金づくりを主導した「5人組」と呼ばれる幹部の責任を追及する怒声だった▼清和会といえば、2000年代に入ってから森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫の4氏を首相として送り出すなど、日本政治の中枢を牛耳ってきた。所属議員は一時は100人を数え、つい最近までわが世の春を謳歌していた。『平家物語』ではないが、「盛者必衰」を地で行く展開となった▼田中角栄元首相のライバル、福田赳夫元首相の手で1979年に創設された。金権政治の打破を掲げ〈まつりごと清ければ人おのずから和す〉を意味する「政清人和」から「清和会」と名付けられた。半世紀を経て「政治とカネ」の問題で瓦解したとあっては「昭和の黄門」を称した福田氏も浮かばれまい。(熊)
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