大分建設新聞

四方山

上川外相

2024年02月08日
 高祖父は維新の元勲、大久保利通公、祖父は大宰相と謳われる吉田茂元首相、義父が鈴木善幸元首相。その血脈は皇室にもつながる。NHK大河ドラマ『光る君へ』になぞれば、藤原家の貴公子といったところか。政界のサラブレッドと呼ばれる一方で、口の悪さでも一、二位を争う▼最近も上川陽子外相を引き合いに出して、「そんなに美しい方とは言わない」「このおばさん」とやらかした。野党はここぞとばかりに批判の声を強めるが、「生まれはいいが育ちは悪い」と言ってのけ、これまでも失言問題を起こしてきた麻生氏にとっては馬耳東風のようだ▼揶揄された格好の上川氏。2日の参院代表質問で立憲民主党の田島麻衣子氏から「なぜ、抗議しないのか」と問われて、「さまざまなご意見や考え方があるのは承知している」とかわした。その一方で「(元国連難民高等弁務官の)緒方貞子さんのように脇目も振らず、着実に努力を重ねていく考えだ」と述べ、「田島議員、ぜひWPS、一緒に頑張りましょう」と呼び掛けた▼WPSとは、平和、安全保障に女性の視点を生かす考え方で、上川氏は主要な外交政策に掲げている。ネット上の書き込みには「器の違いを見せつけた」などと、論敵の田島氏にエールを送る余裕を見せた上川氏を評価する声が相次いだ。実は、今回の暴言騒動は仕組まれたものという見方も浮上しているとか▼岸田派出身の上川氏だが、個人的には麻生氏に近いとされる。政界の実力者と君臨していた森喜朗氏が出身派閥の安倍派の解散で力が削がれる中、新たなキングメーカーたらんと、麻生氏が打った奇策だというのである。なるほど、麻生氏の暴言も上川氏を評価する中での文脈であり、騒動を機に次期首相候補として上川氏の知名度は一気に高まった。ひょっとして…。(熊)
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