大分建設新聞

四方山

大分ないものねだり

2024年02月09日
 都市生活者はよく歩く。地下鉄の乗り換えをはじめ、駅を降りると目的地までは徒歩だったりも。公園や歩行者専用道も多いので散歩の足も弾むという具合だ▼そんな時にあるとうれしいのが、個性的な品揃えをする古本屋や、小腹を満たせる立ち食いそば屋だ。筆者にとって散歩には欠かせない店、あるとうれしい店なのだが、大分には少ないようだ。なぜか?▼客単価が低く、駐車場を完備するには資金面で出店リスクが高いからだろう。また、駅近くに出店すると集客力の割に家賃が高いからに違いない。店が少ないのも当然かもしれないが、こうやって書くのは誰かやってくれないだろうかとの願いから。例えば、店舗物件については自宅を改修してはどうだろう。あるいは子どもが独立して部屋が余っているとか、親の実家が空き家になって困っている場合などは活用策になるのでは。古本屋なら5坪もあれば十分な量の本を置けるだろう。立ち食いそば屋ならテーブルなしでOKだから、そばを茹でたり天ぷらを揚げるだけ、最小の厨房が確保できればよい▼あとは品揃えだが、古本はネット書店で安く仕入れたり、知人で本の処分に困っている人に協力してもらってもいい。そばは中津、豊後高田あたりのこだわり麺、天ぷらを売りにするなら県産野菜がある▼そんなに言うなら自分でやればという声が聞こえてきそうだが、筆者の自宅は県南の山裾野にあるので集客は至難の業。立地さえ良ければ古本屋の粗利益率は50~70%というし、立ち食いそば屋は客の回転率アップ、持ち帰りメニュー開発など、有効な手段はありそうだ。どちらも儲かる商売ではないかもしれないが、少ない資金ではじめて固定ファンが付けば、案外成り立つのではないだろうか。筆者が最初の客として参上したい。(コデ)
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