大分建設新聞

四方山

別府

2024年02月13日
 かの国では「7億・(1015億円)の男」と呼ばれているという。米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手である。アリゾナ州グレンデールでいち早くキャンプインし、早くも汗を流している。キャンプ初日の9日、ロバーツ監督はこう評したという。「彼は謙虚で優しいが、その一方で心の中にライオンがいる。私はそれが完璧な組み合わせだと思っている」▼さすが名将である。大谷選手の秘めた闘魂と、優しさを見抜いている。大谷選手と言えば、日本国内の小学校に寄贈したグローブが続々と到着している。右利き用2個、左利き用1個、「野球しようぜ!」のメッセージ付き。約2万校というから、ざっと6万個になる▼大谷グラブをめぐっては、別府市の対応が全国ニュースになった。市民にも見てもらいたいと、市庁舎内で展示したところ、〈学校に配られた物を勝手に展示するのは納得がいかない〉〈市長の私物のように感じる〉などと批判が殺到した。ことの真相は、学校の受け入れ対応が万全ではなく、態勢が整うまで多くの市民と喜びを共有したいということだったらしい▼市にクレームを寄せた人たちは、そうした事情を知っていたのだろうか。それでもなお、学校に届けるまでは金庫にしまっておけというのであろうか。行き過ぎた正義感からくる過剰な反応であるように思えてならない。その別府市が再び全国ニュースで注目された▼能登半島地震の被災地である石川県能登町に移動型の温泉施設を届けた。縦横約10×高さ6・4㍍のテント型で、もちろん名湯、別府温泉の湯を添えてである。「少しでも心を癒やしてもらいたい」という願いから実現した。この時ばかりは全国から別府市に賞賛の声。2件とも1カ月ほどの間のこと。泉都別府も、禍福はあざなえる縄の如しを実感?(熊)
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