大分建設新聞

四方山

ほくろ

2024年02月21日
 旦那の左目の横には、少し大きめのほくろがある。似顔絵には必ず描き足されるくらいの大きさで、本人もチャームポイントだと思っている様子だった。しかしそんなほくろが、今年に入って急に膨らんできた。最初は気のせいかとも思ったが、1カ月すると指でつまめるくらいにまで大きくなった。顔からポコンと飛び出たそのほくろは、さわると水イボのようにプニプニしている▼古くからほくろは、それがある位置によってセクシーさを強調したり、フェミニン度を格上げしたりと、チャームポイントの一つとして受け入れられてきた。中にはわざわざ化粧でほくろを描き足す人もいるくらいだ。その位置から性格やこの先の人生を占う「ほくろ占い」があったり、「ほくろから毛が生えている人は幸運」という言い伝えがあったりと、その存在はおおむね好意的に捉えられている。ちなみに、おでこの中央もしくは右にほくろがある人は、強運で金運に恵まれているらしい▼ほくろは医学的には「母斑細胞母斑」と呼ばれ、生まれつきあるものが大半だ。一般的に1㌢未満が多いとされ、自然に消えることはない。心配なのは悪性、つまりガン化することで、大人になってからのほくろの変化には、注意が必要と言われている▼「忙しい」と病院を後回しにするので、半ば強引に皮膚科へ連れて行った。案の定「このまま直ぐに行くように」と大きな病院へ回された。結果は良性で、早急な治療は必要ないとのことで胸をなで下ろした。が、マスクやメガネが毎日触れる、常に外的刺激を受ける位置にあることから、念のため切除を勧められた。皮下脂肪が少なく、目の神経に近い所で麻酔と切開を行うため、手術には付き添いが必要だと言う。保険適用とは言え、費用もそこそこ。これぞ本当の、泣きぼくろ。(万)
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